金城一国斎作「輪廻」

  南区松原町のJR広島駅中央改札口根際に展示の第七代金城一国斎作「輪廻」です。
※この「輪廻」は、彩漆工芸作品です。
(作品の)正立方体は、鶏卵の殻を小さく割り放射状に貼り、ブルーのグラデーションを螺旋状に塗り重ねた後、文様を研ぎ出す卵殻の技法です。
アーチ(部分に)は高盛絵でツバメを描き、縁には白蝶貝の螺鈿を施しています。
       輪廻(りんね)     2012年作品
万物は永劫の間、新たな希望を胸に生まれ変わります。
日本を代表する漆芸の伝統技法により幾何学的な文様の正立方体に8羽のツバメが飛び交うアーチが掛かり、再生と絆を表しています。
作者:金城一国斎
サイズ:総本体高さ1,431mm、径1,500mm
素材:木・漆・スチール・御影石
贈:広島ロータリークラブ80周年記念事業
          ※1938(昭和13)年10月25日創立
      金城一国斎と高盛絵
尾張徳川藩御納戸塗師の初代金城一国斎(1777-1851) の子、中村一作により創始されました。歴代金城一国斎により広島に伝わっています。明治時代三代金城一国斎の内国勧業博覧会など出品により内外に高盛絵が発表されました。
大正昭和の時代、一子相伝で受け継がれ現在に至っています。
文様を高上げし彩漆(さいしつ;いろうるし)するこの技法は堆彩漆の一種で広島に伝わる独特の漆芸技法です。
高盛漆(漆と砥の粉を練り合わせたもの)を筆で描き上げ必要な肉付けをした後に、さまざまな色漆を塗り分けて仕上げます。
器面は黒漆、網代、拭漆木地に及び、文様の多くは草花昆虫を配置し、上絵・毛彫りにて細部に表情を加え、彫刻的な重厚さと絵画的な柔らかさが同時に表現できる点に特徴があります。
第七代金城一国斎(きんじょういっこくさい:1965-   )
広島市生まれ。広島県立安芸高等学校卒業。香川県漆芸研究所修了。
1991(平成3)年第七代金城一国斎襲名。1995(平成7)年日本工芸会正会員。2005(平成17)年日本工芸会奨励賞受賞。広島市立大学芸術学部非常勤講師。2011(平成23)年広島県無形文化財「一国斎高盛絵」技術保持者認定。
2018年10月わが家へ帰るので、JR広島駅(橋上駅2階)で切符を買い、改札口から入ったところで、目に留まったのが、この作品でした。
毎月1回は利用していますが、(いままで電車に乗るのに急ぎ足だったとはいえ)気が付かなかったのです。
気が付き説明文を読むと広島県無形文化財「一国斎高盛絵」技術保持者というかたの作品。
恥ずかしながら漆工芸にも疎く、広島ゆかりの高盛絵というものが江戸時代から受け継がれていたのかと思いながら撮影しましたので、この頁を編集しました。
 19.06.11.裕・記編集

18.10.03.撮影
広島市南区松原町2-37  JR広島駅中央改札口入って直ぐ

18.10.03.撮影

18.10.03.撮影
文様を研ぎ出す卵殻の技法だそうです

18.10.03.撮影
縁には白蝶貝の螺鈿(らでん)。 ツバメは高盛絵

18.10.03.撮影

18.10.03.撮影




野外彫刻など」編

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