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作詞:佐々木信綱(1872-1963) 作曲:岡野貞一(1878-1941) |
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1) |
旅順開城約成(やくな)りて 敵の将軍ステッセル 乃木大将と会見の 所はいずこ 水師営 |
2) |
庭に一本(ひともと)棗(なつめ)の木 弾丸あともいちじるく くずれ残れる民屋(みんおく)に今ぞ相(あい)見る 二将軍 |
3) |
乃木大将は おごそかに 御(み)めぐみ深き大君(おおぎみ)の 大みことのり伝(つと)うれば 彼かしこみて謝しまつる |
4) |
昨日の敵は 今日の友 語ることばもうちとけて 我はたたえつ かの防備 かれは称えつ わが武勇 |
5) |
かたち正して言い出でぬ 「此の方面の戦闘に 二子を失い給(たま)いつる 閣下の心如何にぞ」と |
6) |
「二人の我が子それぞれに 死所を得たるを喜べり これぞ武門の面目(めんぼく)」と 大将答(こたえ)力あり |
7) |
両将昼食(ひるげ)共にして なおもつきせぬ物語 「我に愛する良馬(りょうば)あり 今日の記念に献ずべし」 |
8) |
「厚意謝するに余りあり 軍のおきてに従いて 他日我が手に受領せば ながくいたわり養わん」 |
9) |
「さらば」と握手ねんごろに 別れて行くや右左 砲音(つつおと)絶えし砲台に ひらめき立てり 日の御旗(みはた) |