長府毛利邸・庭園

  【池泉回遊式庭園】
本館より南に出て、竹垣・土塀で仕切られた北側の広場より石段を下りていくと池泉回遊式庭園が開けます。
池泉は回遊を意識して、いたるところに石組の趣向が凝らされています。なかでも石橋が架かる渓谷風の大滝や小滝は池畔から護岸を使って組まれ、さらに汀の波止場を模した船着石も、水深の深さによって見え隠れするなどの趣向を凝らし、庭自体の奥行きの深さを創出しています。山側の園路は楓、楠の枝葉に覆われ、散策者は深山の雰囲気に浸りながら、また池泉を中心としたいろいろな眺望を楽しみながら、東側の枯山水庭園に入って行くという構成になっています。
  【枯山水庭園】
中心は203cm高の立石です。これは枯山水部の主石であり守護石であるとともに、枯滝の不動石となっています。立石は滝を象徴し、この枯滝を基点にして、ひとつは渓谷風の流れを形成し、もうひとつは築山の中ころより緩やかな流れを形成して、下流で一本に合流し、ゆったりと池泉に注がれています。
この枯流れに対峙するように、築山の中腹に陽石が組まれ、流れの脇には陰石が組まれています。このような陰陽石は、江戸時代の大名庭園によく見られる石組で、子孫の繁栄を願うひとつの遊び心を現しています。
  【書院庭園】
書院前の沓脱は変形の花崗岩ですが、飛び石との繋がりに意匠が凝らされ、右手の縁先手水鉢の造りと相まって、庭自体の風格を感じさせてくれます。
前方の景観を取り入れるため低く造られた土塀際にも、陰陽石の二石組を中心に石組や春日燈籠が配されています。またアカマツ、マキノキ、モッコク、ヤマモモ、ツツジなどの植栽は、池泉回遊式庭園や枯山水庭園とは全く違った趣をかもしだしています。
長府毛利邸の庭園は説明板によると3つの庭園形式で作庭されたそうで、拝見するには残念な天候でした。時間的にも余裕がある旅であればと思いながら拝見しました。
12.02.10裕・記編集

09.01.29撮影
山口県下関市長府惣社町4-10  長府毛利邸

09.01.29撮影
池泉回遊式庭園部分

09.01.29撮影
書院庭園部分
(設置の庭園案内図を撮影しました)



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  防府毛利邸
    長府毛利邸・庭園


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