(平生)回天碑

  山口県熊毛郡平生町(ひらおちょう)の田名埠頭根際に建立されている「(平生)回天碑」です。
*山口県周南市大津島にも回天碑が建立されていますので、こちらの碑は、「(平生)回天碑」としました。
     関連頁:「(大津島)回天」碑など
正面:























































































































裏面: 国際貿易港開港三十五周年を記念し再建  平成十六年十一月七日平生回天会
昭和34年=1959年。平成16年=2004年。 平生港は、1969(昭和44)年に外国貿易港として開港。
鬼哭啾啾(きこくしゅうしゅう)≒亡霊の泣き声がしくしくと聞こえるようなさま。
悵恨(ちょうこん)≒なげきうらむこと。
桑滄之変(そうそうのへん)≒世の中が激しく変化すること。「滄海桑田」の略。
赤心(せきしん)≒偽りのない心。まごころ。
説明板:
特別攻撃隊 人間魚雷「回天碑」 平成16年11月吉日 平生町、平生町観光協会 
昭和20(1945)年桜の蕾がふくらむ三月から、ここ阿多田の先端部に「回天」の出撃、訓練基地が開設されました。基地では十八歳にも満たない下士官や二十歳代前半の青年士官たちが、国を護るため一身をなげうち、日夜猛訓練に明け暮れていました。
「回天」という言葉は、「衰え行く国の勢いを元にかえす」という意味があるそうです。この特攻兵器「回天」(全長15m、直径1m、速力30ノット時速換算56km)は、「人間魚雷」と呼ばれ、当時、世界に誇った九三式魚雷を基に考案されたものです。先端部に爆薬(1.55トン)を充填し、中央部の搭乗員席には一人の隊員が搭乗して、回天を操縦しながら敵の艦船に体当たりするという、“必死の兵器”でした。
訓練は、初期段階は平生湾の往復でしたが、その後、雑石瀬戸を出て牛島・馬島・叶島を三角点とする海面で行なわれました。航行している船舶に対する襲撃訓練や、早朝あるいは薄暮に、主に潜航を主体とし、ときおり浮上して視認観測をしながら目標艦に突入するという厳しい訓練であったといわれています。
昭和20(1945)年7月18日、この平生基地から、伊号第58潜水艦に回天6基が搭載され出撃、沖縄海域で5名の若者が突入し散華されました。その他、猛訓練中に3名の隊員が殉職、終戦直後に1名が自決されました。
こうして昭和20(1945)年8月将来を嘱望された若者の尊い命を奪った悲惨な戦争は終わり、やがて日本は奇跡的にも国勢を回復し、平和を享受してきました。これはみな先人達の尊い犠牲の賜であり、ここにあらためて感謝の誠を捧げつつ、人生最後の地となったここ阿多田の地より心からご冥福を祈念するものです。
昭和34(1959)年7月、この地に平和の大切さを後世に語り継ぐために碑が建立されました。この回天碑は、松庫海事(株)の当時の谷 光司工場長により会社の敷地内に建立され、その後松庫工業(株)・平生興業(株)関係者にて大切に管理されてきました。今回平生港湾改修事業の為、移設を余儀なくされ、平成16(2004)年11月、「平生回天会」の寄付並びに関係者のご協力によってここに修復移設されたものです。
なお、大竹潜水学校平生分校には回天基地と隣接して、主に特殊潜航艇の「蛟龍」や「海龍」の訓練基地もありました。
今(2017年)回阿多田交流館を見学した時、“訓練をした海域が見える場所に”回天碑が建立されていることを(わたしは)知ったのですが、その建立場所が阿多田交流館の敷地でないことがわかりました。しかし、何処なのだろうかと云うわたしに女房が、2009年中国電力上関原発予定地の埋立工事区域を示すブイを田名埠頭から台船を使って運び出すというので原発設置反対運動に参加しこの地を何度か訪ねており、「回天碑」の建立場所を知っていましたので案内してもらったのです。
上関原発は(ご存知のように)2011(平成23)年3月11日東日本大震災による福島第一原発事故により、新規の原発建設は凍結されていますので、静かな田名埠頭の根際にこの回天碑は建っていました。
 1703.26.裕・記編集

17.03.19..撮影
山口県熊毛郡平生町大字佐賀字田名沖

17.03.19..撮影

17.03.19..撮影
回天碑

17.03.19..撮影

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17.03.19..撮影
猛訓練中に殉職の3名と自決された隊員 沖縄海域で散華された5名

17.03.19..撮影

17.03.19..撮影

17.03.19..撮影

17.03.19..撮影
回天碑は(田名埠頭を背景にして)移築されたそうです
 国土地理院・地図閲覧サービスの地図を使用しています



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