回天模型、(海中から引上げられた)回天推進部分

  山口県周南市大津島の回天記念館前に展示されている「回天の模型」「回天推進部」を取り上げました。
回天一型の要目・性能     平成17(2005)年度周南市教育委員会
全  長:14.75m 胴 直 径 :1.00m
全重量:8.30t 最高速力:30.0ノット
行動半径: 10ノットで78,000m
20ノットで43,000m
30ノットで23,000m
機  関:93式酸素魚雷機関 燃 料:酸素及び石油
軸馬力:550馬力 頭部炸薬量:1.55t
備考1. 回天一型は、九三式魚雷を改装したものです。
2. 九三式魚雷とは、旧海軍が当時の強国に先立って1931(昭和6)年に創案実用化した無気泡酸素魚雷(水中を航走する時、気泡航跡を残さない魚雷)でした。第二次世界大戦とともに実戦に用いて当時の強国を驚かせた兵器でした。
3. 回天一型の性能向上のため、長さ16.5m、直径1.35m、全重量18.79t、速力40ノット、軸馬力1,500馬力という回天二型および四型が試作実験されていましたが、第一線に出撃しないまま敗戦をむかえました。
回天推進装置の一部      昭和63(1987)年10月
  (展示のものは)「回天」の推進部-93式魚雷(高圧酸素を燃焼に使用したため航跡がほとんど出ない優れたものでした)の燃焼室及びシリンダー部並びに推進軸です。
「回天」を甲板に積んだ潜水艦は水深100m位まで潜入するので、その水圧に耐えるために、技術陣は改良に苦心しました。
燃料室には石油を噴霧状態で送り高圧酸素を燃焼させ、そこに海水を噴射すると高圧の水蒸気を含む混合気ができ、ピストンを駆動しプロペラを回転させる機構でした。
燃焼室で点火しないと、高圧酸素と石油ガスの混合気がそのまま送られ、たちまちシリンダーで爆発を起こし、エンジン部は破壊されるのです。その他、操縦系統の万全を期すなど、整備関係員の苦労も大きく必死の努力が成されました。
注: 展示のエンジン部分は、敗戦時海中投棄されていたものを、防府市野島の漁業者が引き上げ、航空自衛隊防府北基地に収容されていたものを当回天記念館が譲り受けたものです。
回天記念館前に展示されていた回天模型には説明板が付いており、「回天一型の要目・性能」が記述してありましたので、取り上げました。
また、敗戦時海中投棄され戦後海中から引き上げられた「回天推進装置の一部」も展示してありましたので、この頁で取り上げました。
13.07.23.裕・記編集

13.05.06.撮影
山口県周南市大津島(字馬場)1960番地  回天記念館

13.05.06.撮影
回天の展示模型
(設置の説明板の断面図を使用しています)

13.05.06.撮影

13.05.06.撮影

13.05.06.撮影
海中から引き上げられた回天推進部の展示、

13.05.06.撮影
海中から引き上げられた回天推進部の展示、
(設置の説明板の画像を使用しています)



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