三角縁神獣鏡

  安芸郡海田町畝の海田ふるさと館で行われた歴史講演会で触れさせてもらった「三角縁神獣鏡」です。
隣町海田町・ふるさと館であった歴史講演会『広島県内の古代史と安芸地域の発掘状況』にいったのです。
講演会が終わって、広島の古墳から出土した本物の『三角縁神獣鏡』(魏志倭人伝に出てくる卑弥呼が魏からもらったとおもわれる)を触らせていただきました。
(さんかくぶちしんじゅうきょう)
三角縁神獣鏡:
神獣鏡の一つ。縁の断面が三角形で、直径20cmをこえる大型品が多い。
日本の古墳から出土するが、魏帝が卑弥呼に下贈した銅鏡百枚にあてる説があります、またすべて日本製とする説もあります。
(参考資料:広辞苑第五版) ※広辞苑は『さんかくぶちしんじゅうきょう』と読んでいますが
『さんかくえん しんじゅうきょう』と読んでいる辞書もあります。
卑弥呼が魏からもらった鏡は、三角縁神獣鏡を主とする鏡であるという説。
∵『魏志倭人伝』は、魏の皇帝が、倭の女王に、「銅鏡百枚」を与えたことを記している。
三角縁神獣鏡は、中国から輸入された鏡ではなく、わが国で作られた鏡であるという説。
∵三角縁神獣鏡は、100%わが国から出土し、中国からは一面も出土していない。
(神獣鏡は大陸でも出土するが三角縁ではない)
畿内では、四世紀の古墳時代の遣跡からのみ出土し、邪馬台国時代の三世紀の墓からはまったく出土しない。
(ひみこ)
卑弥呼:
「三国志」魏書東夷伝倭の条(いわゆる「魏志倭人伝」)によって知られる邪馬台国の女王。
三世紀、倭国の大乱の中で各地の政治集団によって共立され、これらを呪術的能力によって統率したが、司祭者としての性格が強く、その王権は不安定であった。
239年、魏に使いして「親魏倭王」の称号と金印紫綬とを賜った。
(はしはかこふん)
箸墓古墳:
奈良県桜井市箸中にある前方後円墳。全長約280m、後円部径155m、前方部長125m、高さ16m。厚く葺(ふ)き石におおわれている。
多数出土した土器片から学者によって説が分かれるものの三世紀後半とするのが一般的。倭迹々日百襲姫命(やまととひももそひめのみこと)の墓に比定されている。特殊器台形埴輪片・土師器壺が出土。箸の墓。
古瀬先生はこの古墳が卑弥呼を埋葬したものとも考えられないだろかというようなことを話されていました。
(箸墓古墳は邪馬台国「卑弥呼」の墓との説もあるが、土器の実年代は卑弥呼の時期とはずれるとも聞きますが)
銘文は、
『吾作明竟甚大好、上有王喬並赤勝、獅子天鹿麒麟龍、天下名工世無雙』
と刻まれていると広大の文学研究科・文学部の資料に在りましたが、
(わたしには)写した画像を拡大しても麒麟かなと思う所もありましたので同じものかわかりません。
2009年5月になって、『奈良・箸墓古墳築造、卑弥呼の死亡時期と合致 歴博測定』というこの箸墓古墳についての大ニュースがありました。
ただし、その測定をした土器は、箸墓古墳の付近で出土した土器だということを忘れてはなりませんが。
考古学(現在の辞書を引いても)では、少し前までは4世紀の築造と考えるのが主流でした。
宮内庁指定の陵墓で本体の調査はできませんので、周囲で出土した土器や他の古墳で見つかった鏡などを手がかりに研究が進み、3世紀後半と見る研究者が増え、卑弥呼との関連が注目されるようになっていたそうです。
国立歴史民俗博物館(略して:歴博、千葉県佐倉市)は、全国の5千点を超す土器の付着物や年輪の年代を測定。その結果、箸墓の堀や堤からも出土し、箸墓が築造された時期の土器と考えられている「布留(ふる)0式」が使われた期間を240〜260年に絞り込んだそうです。
2009.10.11追記
四隅突出型弥生墳丘墓の突出部の変遷から奈良の箸墓古墳(最古の前方後円墳)へ至った経緯の古瀬広大教授の説明にウ〜〜〜ンなるほどと思ったのです。
考古学は進化論と同じように発掘出土したものを推測していく過程を興味深く説明していただきました。
そして郷土を愛する心が薄れつつあるこんにちを憂慮されているようで、郷土の古墳を考え伝えることからも郷土愛が生まれ、少しでも郷土愛につながることを願っている、という締めであったようにわたしは受け留めたのですが。
わたしは、タイムスリップしたかのような感覚にとらわれ卑弥呼に仕える侍従となって・・一挙弥生人になりました。
09.10.11更新   05.01.12裕・記編集

05.02.06撮影
広島大大学院教授・古瀬清秀先生
(先生は中国・魏から贈られた鏡とする説)
広島の古墳から出土した本物の『三角縁神獣鏡』
(鏡面の赤い残留物は水銀の残存だそうです)
(裏面;文字が刻まれており読み方も教えていただきましたがわたしが書留められませんでした)※



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