(解体消滅)旧広島市民球場・仮折鶴展示場

  中区基町の旧広島市民球場内に球場解体まで(仮に)開設されている「折鶴展示場」です。
※旧市民球場解体と共にこの展示場は終了しました。
旧広島市民球場は、(解体までの暫定使用)、現在折り鶴展示室にも使用しています。
広島市市民局国際平和推進部平和推進課の資料に『
広島平和記念公園の「原爆の子の像」には、国内や海外から多くの折り鶴が捧げられています。折り鶴の一つひとつには、原爆で亡くなられた方々の慰霊、核兵器のない世界の実現や平和への願いなど、折られた方々の様々な思いが込められています。広島市では、「原爆の子の像」に捧げられる折り鶴を大切に保管し、その一部を旧広島市民球場に展示しています。申込みは必要ありませんので、御自由に御覧ください。開館時間:午前9時〜午後5時』とあります。展示内容は下記のようなものです。
折り鶴展示室1 平成20((2008)年度に寄せられた折り鶴 約13,000束(約1,300万羽)ボリュームを見ていただく積み展示(一部吊り展示)
折り鶴展示室2 平成17(2005)年度に寄せられた学校関係分の折り鶴 約3,000束(約300万羽)(探しやすいように寄贈学校名をアイウエオ順に並べて吊り展示)
サダコと折り鶴展 サダコと折り鶴ポスター展示
折り鶴体験室 折り鶴の作成コーナー、折り鶴に関するビデオ上映、変わり鶴(1枚の紙で千羽鶴を折った連鶴やユニークな鶴など)
2009年3月旧広島市民球場跡地を折り鶴公園にしたいとする広島市(秋葉市長)に対して「待った」をかけた広島市議会です。
今(2010)年6月22日広島市議会は旧広島市民球場の解体の前提となる球場廃止条例の修正案を賛成多数で可決しました。市の原案は8月1日施行でしたが、修正案は施行日を9月に1ヶ月先送りしました。「子どもたちが夏休みに利用できない」として一部会派が提出したためで、市は年内に解体に着手し、緑地広場とする方針だそうです。
廃止条例案をめぐっては3月、保存を求める住民らの声に押される形で市議会が否決。市が6月10日に再提出。6月18日市議会建設委員会でも「市民合意がない」「もっと議論が必要」と反対論が続出しましたが、「中心部のにぎわいを高めるのが緊急課題」とする賛成意見が上回ったことで決まりました。
市の計画は、右翼スタンドの一部を残し年間を通じてイベントができる緑地広場を整備。国内外から広島市に贈られる折り鶴をホールで展示する構想は断念したそうです。
わたしが見学するのが平日で何でもない時間だからか、見学者はごくわずかな人です。見学者に遭わないこともあります。わたしは、折り鶴を保存する事には、その施設、その費用などから賛同する立場ではない事を云っておかなくてはならなでしょう。
2007年に「平和の願いを込めて持ってこられた折り鶴は、年一回平和の願いが天に登れとの願いを込めて、原爆忌(8月6日)かその前後の日に焼却したらいいのではないかと思うのです。願いは(ミイラのごとく保存するものではなく)次の世代へそしてその次の世代に伝え繋がってゆくことこそ大切なのではと思うからです。」という頁を編集しています。
最近はよく耳にするようになった「折り鶴の再生紙の活用」です。それは 牛乳パックと折り鶴を混ぜ折り鶴再生紙のハガキと名刺にするということのようで、わたしが考えた、燃やすという考えよりも折り鶴を折った人たちの願いによりかなう方法のようには思っています。(しかし、再生資源と利用するためにはエネルギーが必要であり、それが二酸化炭素削減に役立つのかな?との検証が必要と思いますが)
この頁では、展示室の中から2つの展示を取り上げました。
金属折鶴これは焼却とはいかないな〜と。また、秋葉市長がこだわっている折り鶴ホールのきっかけになったのではと思う、米国五市長連名の折り鶴保存展示要望書のパネルの2つです。
2009年撮影の画像でこの頁を編集していましたが、編集した2010年にも見学していましたので、いまは懐かしさだけしかありません。
2012年2月いっぱいで旧広島市民球場が解体され更地になり、ここで取り上げた折り鶴の仮展示場も無くなりました。以前撮影していたわずかな画像しかありませんが追加編集しました。
12.03.21更新   10.08.06裕・記編集

10.08.06撮影
広島市中区基町5-25  (旧広島市民球場)

10.08.06撮影
広島市中区基町5-25  (旧広島市民球場2階の仮折鶴展示場)

10.08.06撮影
パリ市から寄贈された金属製折り鶴
      パリ市から寄贈された金属製折り鶴
この折り鶴は、平成17(2005)年にパリ市役所内で開催した「ヒロシマ・ナガサキ原爆展」において展示されました。
その後、平成18(2006)年5月パリ市から広島市に贈呈されたものです。
最大幅:約3m。 高さ:約1.9m。 重さ:約120kg
材質:鋼鉄。   制作者:パリ市職員
被爆60年の2005(平成17)年9月5日〜30日会場はフランスパリ市役所の展示ホールでした。核保有国の首都が主催する原爆展は初めてでした(フランスは核抑止を国是に掲げる国です)。
広島、長崎から借りた写真、弁当箱や水筒など被爆資料のほか、パリ市独自のアイデアで、「はだしのゲン」や「夕凪の街 桜の国」など原爆を題材にした漫画作品を紹介(日本の漫画はフランスの若者に絶大な人気があるそうです)。
パリ市に以前、開催の打診をした時、核戦力保持と核抑止論で党派を超えた合意があり、「国是に触れる催しを首都で計画すれば、圧力がかかる恐れがあった」ことから開催を断られたそうですが、 2004年社会党ドラノエ市長が広島市を訪問し、トップダウンで開催が決まったそうです。
「ヒロシマ・ナガサキ原爆展」のパリ市での開催背景、
2005年実施の世論調査で、核抑止論支持はフランスで35%と日本並みの低さで冷戦の恐怖がなくなったのに加え、テロの脅威に「武力より、貧困や抑圧の解消が先決」との考えが浸透、国民の脱「核抑止」が進んだこともにあると見られています。
わたしは、ここ旧市民球場の展示室ではじめて、パリ市から贈られたという金属製の折り鶴をみました。大きいものだな〜と思い撮影しました。制作者であるパリ市職員の方々も同じように平和の大切さを考えて作られたのだろうな〜と思いながらみましたので、撮影しました。2010年になりましたが頁を編集しました。
10.08.06裕・記編集

09.09.14撮影
広島市中区基町5-25  (旧広島市民球場2階の仮折鶴展示場)

09.09.14撮影

09.09.14撮影
米国5市長からの折り鶴保存・展示に関する要請文
            「第1 回日米都市サミット広島2004」
開催時期:2004年11月17日(水)〜19日(金)。会場:広島国際会議場。参加都市:国内11市1団体、米国15 都市
基調テーマ:国際社会の安定と持続可能な都市の発展         (予算額:約2000万円)

日米都市サミットは、第1回ということになっておりますが、実は戦後50年以上続けられてきた「日米市長及び商工会議所会頭会議」というのがあったのですが、これが、平成14(2002)年3月に解散をいたしました。これを踏まえて、北九州市、ホノルル市などと協議をした結果、これまでの友好親善に中心を置いた国際交流、これが、「日米市長及び商工会議所会頭会議」の中心的なテーマだったわけですけれども、これを、これから少し方向転換といいますか、脱皮をして、双方の都市の課題解決ということに力点を置いた相互協力型の交流をしようということで、新しい視点での日米都市間のネットワークをつくる、拡大・強化することを目的として設置したものです。
今日、地球温暖化をはじめとした環境問題が、ますます深刻になっておりますし、情報通信技術の飛躍的な発展など、こうした背景のもと、都市の抱える問題が複雑・多様化しています。こういう状況で、日米両国の市長や商工会議所会頭など都市の代表が一堂に会して直接対話を行うことによって都市問題の解決の道を探る、あるいは、都市間連携の絆を深めることによって持続的な都市発展に資することを目的として、第1回日米都市サミットを広島で開催することにしました。
』という広島市長コメントを2004年11月8日出しています。

第1回日米都市サミット2004に出席された米国市長からの折り鶴保存展示に関する要請文
  2004(平成16)年11月19日 秋葉忠利市長様
拝啓 素晴らしい貴市への大変意義深い訪問の中で、旧日本銀行での折り鶴の展示を視察したことは、最も心に残る出来事でした。広島市が、ほとばしる人類の共感と希望を集めるという伝統を確立しておられるのは、素晴らしい事です。折り鶴の一つ一つを集め保存するという伝統を続けていただきますよう強く要請いたします。
子供たち一人一人が平和について考え、折り鶴を折ることに努力を傾けています。広島に届けた折り鶴がまだそこに存在していると分かれば、若者たちは大人になってから広島をまた訪れたいと思うことでしょう。
広島を再訪し、サダコの死に際の平和の願いに応えた子供たちが世界中にこれほどいたのかと、感銘を受けることと思います。そして、もし親となって広島を訪問すれば、自分たちの子供に、自分が子供の頃にした事を伝え、そうすることで次の世代を鼓舞するという、自然な平和の循環ができるのです。
それゆえ、この偉大なる展示は、ますます重要性を増してくることでしょう。これらの美しい意義ある鶴を保存していただいた事に、今一度御礼申し上げます。サダコと、彼女と戦後して亡くなられた方々に敬意を表して。
 敬具
ジェラミー・ハリス(ホノルル市長)。ファン・トゥデラ(サイパン市長)。ヘザー・ファーゴ(サクラメント市長)。ビル・パースマン(タコマ市長)。ガス・モリソン(フリーモント市長)
秋葉市長が旧広島市民球場跡地に、折り鶴ホールを建設する事にこだわっているきっかけの一つではないのかと思う、米国五市長連名の折り鶴保存展示要望書のパネルをみましたので、ここで取り上げました。
わたしも働いていた時には避けては通らなかった(日本人が得意とする?悪しき習慣?)「根回し」という手法。
秋葉市長は市議会に対して「根回し」はしないと聞いています(からばかりではないのでしょうが)。度々議会と対立するニュースを報道で見聞きして来ましたが、広島市民球場跡地利用についても議会の抵抗にあっています。なかなか市長の思いが市民に伝わっていない事例の一つではないのだろうかと思いましたので、この要望書を取り上げてみました。
10.08.06裕・記編集

09.09.14撮影
広島市中区基町5-25  (旧広島市民球場2階の仮折鶴展示場)
展示のパネルの画像を使用しています



「平和祈念碑等建立地一覧」編



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