東照宮・(平和祈念)短歌玉垣

  東区二葉の里の“広島東照宮”に建立されている「(平和祈念)短歌玉垣」です。
広島東照宮境内前面の玉垣に「原爆50周年にあたり50首を刻む」ということで、平和を祈念した短歌が刻まれています。
これらの玉垣は、被爆50年の記念事業として設置されたそうです。
広島東照宮参道入口に設置されている玉垣の(御影石製)石柱表裏に短歌が刻み込まれています。
短歌の多くが原爆・戦争の悲惨さや平和希求の気持ちを詠んだものです。
久保田訓章宮司と市民グループ・広島の文化を伝える会の会長の発案で広島県歌人協会が協力して被爆50周年(1995年)を祈念して設置されたそうです。
東照宮に参拝に来たときには、それとなく見ていたのですが、今(2006年)回東照宮の頁をまとめている中で、この被爆50周年を記念したこの玉垣もなくてはと改めて読んでみて、撮影しました。
2015年久しぶりに撮影しましたので、この頁を再編集しました。
15.09.08.再編集     06.07.27裕・編集

06.07.21.撮影
広島市東区二葉の里2-1-18 

06.07.21.撮影
「原爆50周年にあたり50首を刻む 平成7年5月吉日 広島東照宮」
 (後方)広島東照宮唐門・翼廊  (山上)二葉山平和塔
(ここで紹介する短歌は、この碑(玉垣)に刻まれた短歌のほんの一部でわたしが勝手に選んだものです)
焼けただれし人らの呻き泌み入りし宮のきざはし雨にあたらし 木原 昭 東区
戦のなき半世紀よ本川の河畔歩めば鳩の群れ飛ぶ 青木 豊子 江田島町
原爆に面灼かれし鬼瓦歯欠けても今も怒りを解かず 古吉 義彦 大竹市
原爆忌黙祷すれば炎の街をのがれし道筋ありありと顕つ 遊川 みつ子 大竹市
燃ゆるものすべてを焼きし焔の記憶もてれば一樹の緑やさしき 岡田 逸樹 東区
核の火の渦巻きたりし縮景園つぶら実こぼし楠茂る 山本 節子 南区 
数珠かけしごとく沢胡桃の花垂れてこの街にまた夏の近づく 河野 富香 東広島市
帰らざりし娘の日記を抱きしめる母君と会う広島県女碑の前 梶山 雅子 呉市
遺骨なき義父のみ霊よ元安川に流す灯ろう水面たゆとう 野村 澄子 大野町
いくつ代の戦火超えきて湧く真水「御神井」在所に紅椿さく 打越 嘉子 南区
平和の火風に倒るる一瞬ののちに大きく拡ぐる炎 村上 照男 安芸区
夏寒き八月六日平和宣言の式典つづく黙深き園 二羽ミツコ 東広島市
広島のマリンスノーが原爆の死者の数ほどともす街の灯 原 哲夫 中区
原爆の悲惨を見たる太田川平和の町を抱きて流る 須山キヨコ 東区
ヒロシマの平和の鐘を孫の手に吾が手を添えて一つ鳴らせり 石井 義矩 南区
たまがき
玉垣
神社などの周囲に設ける垣根。瑞垣(みずがき)。斎垣(いがき)。
きざはし(階) 階段。だんだん。きだはし。
さわぐるみ
沢胡桃
クルミ科の落葉高木。山中の谷間に生える。高さ約20m。葉は枝先に集まって互生。雌雄同株。春、長い尾状の花穂を下垂し、秋、二個の翼のついた堅果を結ぶ。材は下駄・器具材などにする。川胡桃。藤胡桃。
marine snow
マリンスノー
海の表層から深海まで観察される、雪のように降るもの。
不定形で壊れやすく、プランクトンの死体などが緩く結合したものといわれる。

06.07.21.撮影

06.07.21.撮影

06.07.21.撮影

15.08.28.撮影



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