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焼けただれし人らの呻き泌み入りし宮のきざはし雨にあたらし |
木原 昭 |
東区 |
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戦のなき半世紀よ本川の河畔歩めば鳩の群れ飛ぶ |
青木 豊子 |
江田島町 |
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原爆に面灼かれし鬼瓦歯欠けても今も怒りを解かず |
古吉 義彦 |
大竹市 |
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原爆忌黙祷すれば炎の街をのがれし道筋ありありと顕つ |
遊川 みつ子 |
大竹市 |
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燃ゆるものすべてを焼きし焔の記憶もてれば一樹の緑やさしき |
岡田 逸樹 |
東区 |
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核の火の渦巻きたりし縮景園つぶら実こぼし楠茂る |
山本 節子 |
南区 |
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数珠かけしごとく沢胡桃の花垂れてこの街にまた夏の近づく |
河野 富香 |
東広島市 |
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帰らざりし娘の日記を抱きしめる母君と会う広島県女碑の前 |
梶山 雅子 |
呉市 |
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遺骨なき義父のみ霊よ元安川に流す灯ろう水面たゆとう |
野村 澄子 |
大野町 |
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いくつ代の戦火超えきて湧く真水「御神井」在所に紅椿さく |
打越 嘉子 |
南区 |
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平和の火風に倒るる一瞬ののちに大きく拡ぐる炎 |
村上 照男 |
安芸区 |
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夏寒き八月六日平和宣言の式典つづく黙深き園 |
二羽ミツコ |
東広島市 |
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広島のマリンスノーが原爆の死者の数ほどともす街の灯 |
原 哲夫 |
中区 |
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原爆の悲惨を見たる太田川平和の町を抱きて流る |
須山キヨコ |
東区 |
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ヒロシマの平和の鐘を孫の手に吾が手を添えて一つ鳴らせり |
石井 義矩 |
南区 |