2014(平成26)年 平和宣言

  「核兵器廃絶を目指し核兵器禁止条約の交渉開始を求める国際世論を拡大します。」と平和宣言の中で述べています。
その行動はどうだったのかと、市長には自問自答しなければならない使命があるとわたしは思っていますが。
広島ぶらり散歩「(通称)平和記念式典関連」編を編集していますので、欠番にしようとも思いましたが、広島市の資料から転記してこの頁を2015年になって編集しました。
わたしは、2002年より平和記念公園で聞いていた「平和宣言」ですが、
2014年は、家の布団の上で聞いていました。腰痛で(便所に行くのがやっとの状態で)平和記念公園に行くことが出来なかったからです。
 15.08.08.裕・記編集
画像は撮影していませんのでありません
平和宣言は、松井一実(1953-  :市長在任2011-  )広島市長
 建物疎開作業で被爆し亡くなった少年少女は約6千人。当時12歳の中学生は「今も戦争、原爆の傷跡(きずあと)は私の心と体に残っています。同級生のほとんどが即死。生きたくても生きられなかった同級生を思い、自分だけが生き残った申し訳なさで張り裂けそうになります」と語ります。辛うじて生き延びた被爆者も、今なお深刻な心身の傷に苦しんでいます。

 「水を下さい」。瀕死(ひんし)の声が脳裏から消えないという当時15歳の中学生。建物疎開作業で被爆し、顔は焼けただれ、大きく腫れ上がり、眉毛(まゆげ)や睫毛(まつげ)は焼け、制服は熱線でぼろぼろとなった下級生の懇願に「重傷者に水をやると死ぬぞ」と止められ、「耳をふさぐ思いで水を飲ませなかったのです。死ぬと分かっていれば存分に飲ませてあげられたのに」と悔やみ続けています。

 あまりにも凄絶(せいぜつ)な体験ゆえに過去を多く語らなかった人々が、年老いた今、少しずつ話し始めています。「本当の戦争の残酷な姿を知ってほしい」と訴える原爆孤児は、廃墟(はいきょ)の街で、橋の下、ビルの焼け跡の隅、防空壕(ごう)などで着の身着のままで暮らし、食べるために盗みと喧嘩(けんか)を繰り返し、教育も受けられずヤクザな人々のもとで辛うじて食いつなぐ日々を過ごした子どもたちの暮らしを語ります。

 また、被爆直後、生死の境をさまよい、その後も放射線による健康不安で苦悩した当時6歳の国民学校1年生は「若い人に将来二度と同じ体験をしてほしくない」との思いから訴えます。海外の戦争犠牲者との交流を通じて感じた「若い人たちが世界に友人を作ること」「戦争文化ではなく、平和文化を作っていく努力を怠らないこと」の大切さを。

 子どもたちから温かい家族の愛情や未来の夢を奪い、人生を大きく歪(ゆが)めた「絶対悪」をこの世からなくすためには、脅し脅され、殺し殺され、憎しみの連鎖を生み出す武力ではなく、国籍や人種、宗教などの違いを超え、人と人との?(つな)がりを大切に、未来志向の対話ができる世界を築かなければなりません。

 ヒロシマは、世界中の誰もがこのような被爆者の思いを受け止めて、核兵器廃絶と世界平和実現への道を共に歩むことを願っています。

 人類の未来を決めるのは皆さん一人一人です。「あの日」の凄惨(せいさん)を極めた地獄や被爆者の人生を、もしも自分や家族の身に起きたらと、皆さん自身のこととして考えてみてください。ヒロシマ・ナガサキの悲劇を三度繰り返さないために、そして、核兵器もない、戦争もない平和な世界を築くために被爆者と共に伝え、考え、行動しましょう。

 私たちも力を尽くします。加盟都市が6,200を超えた平和首長会議では世界各地に設けるリーダー都市を中心に国連やNGOなどと連携し、被爆の実相とヒロシマの願いを世界に拡(ひろ)げます。そして、現在の核兵器の非人道性に焦点を当て非合法化を求める動きを着実に進め、2020年までの核兵器廃絶を目指し核兵器禁止条約の交渉開始を求める国際世論を拡大します。

 今年4月、NPDI(核軍縮・不拡散イニシアチブ)広島外相会合は「広島宣言」で世界の為政者に広島・長崎訪問を呼び掛けました。その声に応(こた)え、オバマ大統領をはじめ核保有国の為政者の皆さんは、早期に被爆地を訪れ、自ら被爆の実相を確かめてください。そうすれば、必ず、核兵器は決して存在してはならない「絶対悪」であると確信できます。その「絶対悪」による非人道的な脅しで国を守ることを止(や)め、信頼と対話による新たな安全保障の仕組みづくりに全力で取り組んでください。

 唯一の被爆国である日本政府は、我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増している今こそ、日本国憲法の崇高な平和主義のもとで69年間戦争をしなかった事実を重く受け止める必要があります。そして、今後も名実ともに平和国家の道を歩み続け、各国政府と共に新たな安全保障体制の構築に貢献するとともに、来年のNPT(核不拡散条約)再検討会議に向け、核保有国と非核保有国の橋渡し役としてNPT体制を強化する役割を果たしてください。また、被爆者をはじめ放射線の影響に苦しみ続けている全ての人々に、これまで以上に寄り添い、温かい支援策を充実させるとともに、「黒い雨降雨地域」を拡大するよう求めます。

 今日ここに、原爆犠牲者の御霊(みたま)に心から哀悼の誠を捧げるとともに、「絶対悪」である核兵器の廃絶と世界恒久平和の実現に向け、世界の人々と共に力を尽くすことを誓います。
2014(平成26)年8月6日 広島市長  松井 一實  
◇上記宣言文は、広島市市民局 国際平和推進部 平和推進課の資料「平和宣言(日本語)」を転記しました



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