安倍晋三首相の挨拶2016年

  2016年の通称平和記念式典で、安倍総理大臣が行った「(内閣総理大臣による)あいさつ」です。
ことしは、1945(昭和20)年8月6日原爆を投下した国の現職大統領が(71年もかかりましたが)オバマ大統領がここ平和記念公園を訪れ、原爆死没者慰霊碑に献花し、核兵器の廃絶への機運の盛り上がりがありました。
5月27日オバマ米国大統領が伊勢志摩サミット後に被爆地・広島を初めて訪問しました。
戦後71年で大きな節目となった出来事だったと思います。
『私たちは戦争の苦しみを経験しました。共に、平和を広め核兵器のない世界を追求する勇気を持ちましょう。』というメッセージを残していきました。
  関連頁:(裕編集の)オバマ大統領のメッセージと折り鶴
核廃絶を目指そうとする核保有国のオバマ大統領へはあいさつの中でいう『核兵器のない世界を追求する、核を保有する国に対して、その勇気を持とうと、力強く呼びかけました。』であったでしょうが、
会談を重ねている露のプーチン大統領に対して、お隣の中国習主席に対して、力強く呼びかけたという報道にせっしたことはありませんし、印度とは原子力協定(2016年11月11日署名)を結ぼうとしていますが、印度の核兵器廃絶に対し力強く呼びかけたとは聞いていません。
意見を異にする核兵器保有国首脳に対しても被爆国の首相として力強く呼びかけていただきたいものです。
17.08.10.裕・記編集

16.08.06.裕撮影
安倍晋三(1954-   :第二次2012.12.26-   )首相の挨拶
安倍晋三首相2016年挨拶の言葉
本日、被爆71周年の広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式が執り行われるに当たり、原子爆弾の犠牲となられた数多くの方々の御霊に対し、謹んで、哀悼の誠を捧げます。

 そして、今なお被爆の後遺症に苦しまれている方々に、心からお見舞いを申し上げます。
 71年前のよく晴れた朝、1発の原子爆弾の投下によって、十数万ともいわれる貴い命が奪われ、広島は一瞬にして焦土と化しました。
 惨禍の中、一命をとりとめた方々も、耐え難い苦難を経験されました。
 しかし、広島は、市民の皆様のたゆみない御努力により、見違えるような復興を遂げ、国際平和文化都市としての地位を見事に築き上げられました。

 本年5月、オバマ大統領が、米国大統領として初めて、この地を訪れました。核兵器を使用した唯一の国の大統領が、被爆の実相に触れ、被爆者の方々の前で、核兵器のない世界を追求する、そして、核を保有する国々に対して、その勇気を持とうと、力強く呼びかけました。
 G7外相会合の「広島宣言」とともに、「核兵器のない世界」を信じてやまない広島及び長崎の人々、そして、日本中、世界中の人々に大きな希望を与えたものと確信しております。

 71年前に広島及び長崎で起こった悲惨な経験を二度と繰り返させてはならない。そのための努力を絶え間なく積み重ねていくことは、今を生きる私たちの責任であります。唯一の戦争被爆国として、非核三原則を堅持しつつ、核兵器不拡散条約(NPT)体制の維持及び強化の重要性を訴えてまいります。核兵器国と非核兵器国の双方に協力を求め、また、世界の指導者や若者に被爆の悲惨な実態に触れてもらうことにより、「核兵器のない世界」に向け、努力を積み重ねてまいります。私は、新たな一歩を踏みだす年に、この地広島において、世界恒久平和の実現に向けて力を尽くすことを改めてお誓い申し上げます。
 被爆者の方々に対しましては、「原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律」に基づき、保健、医療、福祉にわたる総合的な援護施策の充実を行ってまいりました。高齢化が進む被爆者の方々の実情を、今後もしっかりと踏まえながら、援護施策を着実に推進してまいります。
 特に、原爆症の認定につきましては、一日も早く結果をお知らせできるよう、できる限り迅速な審査に努めてまいります。

 結びに、永遠の平和が祈られ続けている、ここ広島市において、原子爆弾の犠牲となられた方々のご冥福と、ご遺族並びに被爆者の皆様のご多幸をお祈り申し上げるとともに、参列者並びに広島市民の皆様のご平安を祈念いたしまして、私の挨拶(あいさつ)といたします。
平成28(2016)年8月6日           内閣総理大臣 安倍晋三
*挨拶文は、首相官邸の資料を参照しました。



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