安倍晋三首相の挨拶2017年

  2017年の通称平和記念式典で、安倍総理大臣が行った「(内閣総理大臣による)あいさつ」です。
ことしは、国連で「核兵器禁止条約」が採択された画期的な年だとわたしは思っています。
被爆者や核兵器の廃絶を願う多くの人々が長年望んだ核兵器なき世界への画期的な第一歩を踏み出しました。一挙に核兵器保有国が賛成することはないでしょうが。
核の傘の下で守られていることから会議にさえ参加せず、この条約に反対を表明した日本国政府の勝利大臣が被爆地・広島でどういうのだろうと思いながら聞いていました。
ここで取り上げた平和記念式典での安倍首相のあいさつでは「核兵器禁止条約」に触れることもなかったなと思いました。次の日(8月7日)の新聞報道で核兵器禁止条約に触れなかった事を確かめました。
そして、式典後の会見では条約の批准はしないと明言したそうです。
8月9日長崎平和祈念式典でも広島と同じように核兵器禁止条約には触れずじまいでした。
式典後の被爆者団体との懇談で被爆者より『(核兵器禁止条約不参加に対し)あなたはどこの国の総理ですか、わたしたち(被爆者)を見捨てるのですか』と抗議されたそうです。
それに対し、安倍総理の返答は『核兵器廃絶に努力する・・・・』という言葉にとどめたと新聞報道で知りました。
旧来の核拡散防止条約などの枠組みで進まない核兵器軍縮、核兵器廃絶への歩みを国際法で打ち破ろうとする核兵器禁止条約を日本国は批准することで被爆国としての世界への立ち位置をぜひ示していただきたいものです。
17.08.10.裕・記編集

17.08.06.裕撮影
安倍晋三(1954-   :第二次2012.12.26-   )首相の挨拶
安倍晋三首相2017年挨拶の言葉
本日、被爆七十二周年の広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式が執り行われるに当たり、原子爆弾の犠牲となられた数多くの方々の御霊(みたま)に対し、謹んで、哀悼の誠を捧(ささ)げます。
 そして、今なお被爆の後遺症に苦しんでおられる方々に、心からお見舞いを申し上げます。
 今から七十二年前の、あの朝、一発の原子爆弾がここ広島に投下され、十数万ともいわれる数多(あまた)の貴い命が失われました。街は一瞬にして焦土と化し、一命をとりとめた方々にも、言葉では言い表せない苦難の日々をもたらしました。若者の夢や明るい未来も、容赦なく奪われました。
 このような惨禍が二度と繰り返されてはならない。唯一の戦争被爆国として、「核兵器のない世界」の実現に向けた歩みを着実に前に進める努力を、絶え間なく積み重ねていくこと。それが、今を生きる私たちの責任です。
 真に「核兵器のない世界」を実現するためには、核兵器国と非核兵器国双方の参画が必要です。我が国は、非核三原則を堅持し、双方に働きかけを行うことを通じて、国際社会を主導していく決意です。
 そのため、あの悲惨な体験の「記憶」を、世代や国境を越えて、人類が共有する「記憶」として継承していかなければなりません。昨年、オバマ大統領が、現職の米国大統領として初めて、この地を訪れ、被爆の実相に触れ、核を保有する国々に対して、核兵器のない世界を追求する勇気を持とうと力強く呼びかけました。核を保有する国の人々を含め、広島・長崎を訪れる世界中の人々が、被爆の悲惨な実相に触れ、平和への願いを新たにする。若い世代が、被爆者の方々から伝えられた被爆体験を語り継ぐ。政府として、そうした取組をしっかりと推し進めてまいります。
 そして、各国の有識者の知見も得ながら、核兵器不拡散条約(NPT)発効五十周年となる二〇二〇年のNPT運用検討会議が意義あるものとなるよう、積極的に貢献してまいります。
 被爆者の方々に対しましては、保健、医療、福祉にわたる総合的な援護施策の充実を行ってまいりました。今後とも、被爆者の方々に寄り添いながら、援護施策を着実に推進してまいります。特に、原爆症の認定について、引き続き、一日も早く結果をお知らせできるよう、できる限り迅速な審査を行ってまいります。
 今や、国際平和文化都市として、見事に発展を遂げられた、ここ広島市において、改めて、「核兵器のない世界」と恒久平和の実現に向けて力を尽くすことをお誓い申し上げるとともに、原子爆弾の犠牲となられた方々のご冥福と、ご遺族、被爆者の皆様、並びに、参列者、広島市民の皆様のご平安を祈念いたしまして、私の挨拶といたします。
平成29(2017)年8月6日           内閣総理大臣 安倍晋三
*挨拶文は、首相官邸の資料を参照しました。



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