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中区袋町の旧日本銀行広島支店開催された“どこ×デザ”で展示された沖野純・辻大海作「PAPER BAND」です。
※2021年2月20日〜3月7日まで展示8作品のうちの1作品です。 |
差異というものは一歩引いてみると目立たないものだ
より大きな枠組みの中ではあらゆる差異、対立構造は矮小化しうる
鳥の目で人種に差など無いように、1つ大きな視点でみることで物事の関係性をよりフラットに捉えることがある
本展の会場である旧日本銀行広島支店の過去に想いを馳せてみるとこのことと共通する意味を見出せる場所があったことに気付くこの場所が銀行であった時代、ホールのカウンターを挟んだ両側の場所はそれぞれ明確に津う役割を持っていた
顧客のための待合空間と銀行員のための執務空間。異なる立場、行為、価値観。それらは受付カウンターによって平面的には区切られながらも、上部の吹き抜け空間の下で々空気を共有していた
現在では用途による差異は失われてはいるが、この場所に残された過去の文脈から意味を切り取ることで、普遍的だがあやふやな感覚を、具体的なイメージとして表出させてみたいと考えてみた
感覚に輪郭を与えることで、日常のあるふれたシーンの中から新たに意味を取り出すこともできるかもしれない |
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待合空間と執務空間の二つの領域を媒介する吹き抜け部分ここの手すり空間にFAX用感熱紙の帯をルーバー上に張っていく
ルーバーの持つ視線を通したり遮ったりする特性により、頭上の吹き抜けは見る方向により消えたり現れたりする
ここでは抜けの方向を1階カウンターと直交方向に設定し、2つの領域を横断する方向でのみ吹き抜けが現れるようにした
また感熱紙の熱変色作用を利用して、過去に合った用途間の帯の色の違いで示唆する
これらの操作により、この空間に従来備わっていた吹き抜けを用いたメタ構成を強調して空間のイメージに消化することをめざした |
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沖野純さん辻大海さん、京都工芸繊維大学大学院修士建築学専攻の学生のようです。 |
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作者たちの言葉は帰宅後、撮影画像を拡大して読んでみました(上記)。
ルーバーの方向をいろいろと考えた末の“間仕切り直交方向に設置した”のかもしれませんが、
ホールの方は並行方向に執務室は直交方向(またはその逆で)と変えることで空間の差異を際立たせることができるのではと(わたしは)思ったりしました。
それよりも、この日銀広島支店の設計者・長野宇平治が考え抜いた上に、ホール、執務室を一体化しようと大空間(吹き抜け)を設けたのではないかと(わたしは)思うその空間をルーバーでせまっ苦しい空間にしているこの作品には、何か根本の考え方・作品方法選択が違っているように思ったのですが。
B4用紙で小さな字での作者の言葉は、大きな字で、部屋内に貼りだすことは、主催のゲンビにはできたでしょうから(老人である一人の広島市民の要望として)ここに書いて編集の終わりとしました。 |
21.03.18.裕・記編集 |