角文平作「Secret room

  中区袋町の旧日本銀行広島支店で開催された“どこ×デザ”で展示された角文平作「Secret room」です。
※2021年2月20日〜3月7日まで展示8作品のうちの1作品です。
この作品は、旧日本銀行広島支店として被爆した建物の中で、本当にそこで起こった出来事や時間の経過とは別の架空のストーリーをインスタレーションとして制作したものです。
戦後使われなくなった建物の中、原爆投下地点のすぐ近くでありながら奇跡的に残ったこの建物の一室。
爆風で家具が散らばった部屋の中、ひっそりと動き続けてきたお掃除ロボット。SFのストーリーにあるような核戦争で人類が滅んだ後、人の住めなくなった土地をAIを搭載したロボットだけが生き残り動き続けています。
それは未来の作り話ではなく1945(昭和20)年8月6日の原爆投下後の後の広島でも同じような事が続いていた・・・。
部屋の家具類は戦前に使われていたような時代感のものばかりだがところどころオーパーツ的な当時には存在しない品物や実際そこで起こった出来事にたいして意味をもったオブジェクト(≒対象)も配置されています。
もちろんお掃除ロボットもその一つです。
それはこのインスタレーションが過去に起こった戦争や原爆のことだけを表現しているだけのものではなく、現代や近い未来に再び起こり得る惨事に対するイメージでもあるからです。
(Installation art)
インスタレーション:
1970年代以降一般化した、絵画・彫刻・映像・写真などと並ぶ現代美術における表現手法・ジャンルの一つ。
ある特定の室内や屋外などにオブジェや装置を置いて、作家の意向に沿って空間を構成し変化・異化させ、場所や空間全体を作品として体験させる芸術。
オーパーツ: それらが発見された場所や時代とはまったくそぐわないと考えられる物品を指す。
英語の「out-of-place artifacts」を略して「OOPARTS」とした語で、つまり「場違いな工芸品」という意味。
          角 文平(Kado Bunpei:1978-     )
福井県出身。2002年武蔵野美術大学造形学部工芸工業デザイン学科金工専攻卒。
2020年Sanwacompany Art Award 2020 グランプリ受賞
「ゲンビどこでも企画×ゲンビ『広島ブランド』デザインスペシャル公募2020」入選。
「安らかに眠って下さい 過ちは 繰返しませぬから」と誓った広島市民。
この作品をみたとき、再び核戦争が広島を巻き込んだ時、その時は水爆でしょうから生命を根こそぎ奪い、掃除ロボットさえ放射能の影響で動かなくなっているかもしれないとの空恐ろしいことを考えてしまいました。
今(2021)年発効した核兵器禁止条約を批准しない政府への強い抗議の意思を表さなくてはならないと広島市民の一人として考える作品でした。
B4用紙で小さな字での作者の言葉は、大きな字で、そばの壁に貼りだすことは、主催のゲンビにはできたでしょうから(老人である一人の広島市民の要望として)ここに書いて編集の終わりとしました。
 21.03.18.裕・記編集

2103.04.撮影
広島市中区袋町5-21 旧日本銀行広島支店旧面会室

2103.04.撮影

2103.04.撮影

2103.04.撮影



野外彫刻など」編



広島ぶらり散歩へ
どこ×デザ
光岡幸一作「詩のある風景とこれから」
Kanae Otani発案「いつかここではないどこかで」
沖野純・辻大海作「PAPER BAND」
生田海斗+川畑純作「ニチギン・ピースシアター」
角文平作「Secret room」
菊田真奈作「Senbazuru」
諏訪葵作「仕切りを解かすための触媒」
寺岡波瑠作「広島式オーダー」


inserted by FC2 system