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安芸区上瀬野町にわずかにその残り香がある「官立綿糸紡績工場跡(≒6,500㎡)」です。
*設置の説明板にある復元図と跡地を重ね合わせなが想像を膨らませることが必要だな~と。 |
※1984年広島県教育委員会によって設置された説明板も風化が進んでいますね |
広島県史跡 官立綿糸紡績工場跡 指定昭和15(1940)年11月10日 |
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明治初(1868)年、政府は当時、輸入総額の3割を占めていた綿糸、綿織物の輸入を抑えるため、水力を動力とした洋式紡織(英国から紡績機を輸入)機を備えた官立模範工場を当時綿栽培が盛んであった広島、愛知両県に建設することにしました。
最初、広島県は旧浅野藩の油搾(ゆさく)水車場跡(一貫田)に工場建設を進めましたが、水量不足から工場設置場所を荒谷のこの地に変更しました。
工場は、明治15(1882)年完成寸前に氏族授産を目的とした広島紡績会社に払い下げられ、官立模範工場としての役割をはたすことはありませんでしたが、この工場建設がわが国紡績業発展の先駈けとなったという意義は大きいものです。 |
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昭和59(1984)年11月 広島県教育委員会・広島市教育委員会 |
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瀬野川町が工場地に選ばれた理由(の内のひとつ)
(現在・安芸区の)瀬野川町や船越町、矢野町、海田町などの芸南地方は、比較的雨量が少なく温暖で、しかも日当たりのよい傾斜地が多いため、昔から綿花の栽培が盛んでした。
江戸時代の中頃には、すでに大坂地方に向けて出荷され、広島藩の主要な特産品になっていたと云われるように、綿栽培地だったからだそうです。 |
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(上記説明版の続きが県教育委員会の別資料にありました)
工場が完成すると、すぐに操業が開始されました。
明治16(1883)年に佐伯郡小深川村(現・佐伯区五日市)に第2工場が建設されましたが、恐慌に遭遇し休止しました。
また、第1工場も、夏には水不足のため、1か月に3日しか運転できないこさえあり、ついに明治19(1886)年に操業を中止しました。
施設を(現・中区)河原町に運び、蒸気機関を使って操業を再開したといいます。 |
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「現在、工場跡地の石垣、水車に通じる水門、水の調節口などがあり、当時の面影をしのばせています。」と広島県教育委員会の別資料で云っています。 |
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石垣は一目でわかりました。
次に説明板の工場鵜復元図から位置的に水車に通じる調整口かなと思う(口とは云い難いくぼんだ)処はありましたが、(わたしには)水の調節口はわかりませんでした。
道路から見えた一筋の石の並びをみましたので工場跡地に降りて近くから見ると工場地とかせ場などの敷地と段差のための石積かなと思いました(ので撮影しました)が確証はありません。 |
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復元図の中にある「カセ場」がわかりませんでしたので辞書を引きました。 |
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かせ〔桛・綛〕
1) 紡いだ糸を巻き取る H 型や X 型の道具。桛木かせぎ。
2) 1)の からはずした糸。また、一定の長さの糸を一定の枠に巻いて束ねたもの。 |
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「官立綿糸紡績工場跡」のことは、広島ぶらり散歩「わが町(旧瀬野川町)附近」編を編集しだした2003年当時に資料で知りましたが、各資料で紹介している位置図がはっきりせず、現在は工場跡とわかる建物などが残っていないことから、訪ねることはありませんでした。(訪ねる方にわかればと下段に附近地図を付けてみました)
2016年暮れになって瀬野公民館でいただいた瀬野歴史散歩マップで瀬野地区をもう少しみて回るかと思ったので、2017年になりましたが、女房運転の車で訪ねたのです。
近くの河内神社を目標に行き、鳥居をさっき見たというのでそろそろかなと思って止めた車の前に説明板があることを女房が気が付きました。目のカスミが強くなってきているわたしはいずれも気が付かなかったので、女房に案内してもらったようなものでした。 |
17.01.27.裕・記編集 |