海上自衛隊呉資料館・館内
  呉市宝町に開館している「海上自衛隊呉資料館の館内」をこの頁で取り上げました。
(愛称)てつのくじら館は、実物潜水艦の屋外展示と建物で構成されています。
建物では、1階部分が海上自衛隊の歴史、2階は機雷の脅威と掃海艇の活躍など、3階で潜水艦の活躍を、実物・模型・絵図や映像などの資料を用いて紹介しています。
3階から潜水艦艦内(発令所のある甲板)が見学できます。潜水艦は実際に海上自衛隊で就役していたゆうしお型潜水艦の「あきしお」 です。
展示資料を見ていくと潜水艦の歴史もわかり、海上自衛隊の活躍ぶりもわかるような展示物となっているようでした。この頁では、わたしが興味を持って見学したものの一部を取り上げています。
自衛隊ペルシャ湾派遣の掃海艇「あわしま」に目が留まりました。
湾岸戦争後の1991(平成3)年にペルシャ湾に自衛隊法第99条を根拠に海上自衛隊の掃海部隊(ペルシャ湾掃海派遣部隊)が派遣されたことをニュースなどで見聞きしていたからで、自衛隊にとって初の海外実任務だったことも記憶にあったからです。
潜望鏡体験コーナーで足を止め覗いてみることにしました。
ここでは、実際の外界を見ることはできず(はめ込みの画像です)。
   *実際の呉港をみるには実物展示の「あきしお」艦内の潜望鏡からみることができます。
5月に訪ねた「(山口県)周南市・大津島」で、人間魚雷回天を搭載して戦場に赴いた伊号型潜水艦のことを知りましたので、「日本式潜水艦の登場」という関連資料の中に回天に関する資料があるかなとみました。
実物展示になっている「潜水艦あきしお」はいまでは旧型(涙滴型)なので公開することになったのだろうと(わたしは)展示資料をみながら思いました。
現在の最新鋭艦(葉巻型の)「そうりゅう型潜水艦」の模型の展示がありましたので、潜水艦の形の違いが判りました。
一般的には愛称の「てつのくじら館」で呼ばれていますが「海上自衛隊呉資料館」ですからその活躍ぶりを教宣するための施設ということを念頭に入れて見学しても興味ある展示資料が(わたしには)ありました。
その資料をもとに日本の潜水艦の歴史を紐解く序以上にはなるように思いましたので、この頁を編集しました。
13.09.02.裕・記編集

13.08.27.撮影
広島県呉市宝町5-32  海上自衛隊呉資料館館内

13.08.27.撮影
ペルシャ湾で機雷処分(34発の内)8発をした「あわしま」670の展示模型をみました
ペルシャ湾掃海派遣部隊へ参加期間:1991(平成3)年4月26日〜11月2日
* 就役:1989(平成元)年〜除籍:2009(平成21)年。基準排水量:440t、全長:55m
主要装備:20mm多銃身機関砲1門、掃海装置一式。速力:約14kt(ノット)。乗員:約45名

13.08.27.撮影
潜望鏡体験
注意事項を記述
本物の潜望鏡
(しかし見えるのは映像)
潜望鏡体験コーナー

13.08.27.撮影
「日本式潜水艦の登場」関連資料
                     「日本式潜水艦の登場」
第一次世界大戦中(1914-1918)から三菱を中心に英・ヴィッカース社L型潜水艦の建造が行われました。戦後7隻のUボート(独潜水艦)を戦利品として取得し、また川崎造船所は独・テッヘル博士の指導下で独潜水艦の優れた技術を導入し。大型潜水艦である巡洋潜水艦(巡潜)、機雷敷設潜水艦(機雷潜)を建造しました。これが伊1型(巡)、伊121型で、伊1型はわが国のスタンダード(≒標準)といえる伊5型へと発展しました。
これとは別に海軍は、艦隊決戦用として仮想敵国の米艦隊を途中で襲撃して漸減し、有利な条件で艦隊決戦に引き継ぐ長大な航続力と高い運動性能を大型潜水艦を要求しました。これが海軍大型(海大型)で、1924(大正13)年に呉工廠で竣工した伊51潜が最初です。
ロンドン軍縮(1930年日・英・米・仏・伊による海軍軍縮制限)後に完成した大型高速の巡潜3型(伊7型;1934年建造)には司令部施設があり、巡潜と海大型が合流したといわれています。
なお、1919(大正8)年に軍縮による対米劣勢を補うために建造されたのが海軍中型(海中型)で、呂号とよばれ、凌波性(りょうはせい:波切り)、航洋性にすぐれ世界最速を誇りました。

13.08.27.撮影
ホーランド型潜水艦  英ビッカース社C1型潜水艦  仏シュナイダー社S型潜水艦

13.08.27.撮影
伊号第58潜水艦 (1:200模型)
* 回天搭載艦として竣工した最初の艦

       回天(かいてん)
旧日本海軍が第二次世界大戦中に用いた人間が操縦する魚雷
基準排水量
全長
速力
魚雷発射管
乗員
2,140t
108.7m
(水上)17.7ノット。(水中)6.5ノット
6門
94名

13.08.27.撮影
海上自衛隊潜水艦の発展     涙滴型と葉巻型
「涙滴型と葉巻型」
1971(昭和46)年初の涙滴(るいてき)型「うずしお」型が、潜航深度の増大と水中性能の向上、自動化と省力化の要請に応えて建造されました。
涙滴型の構造上、スクリュー1基の1軸艦となり、モーターと電池の接続方式、操舵方法などが変わり、昭和40年代後半から昭和50年代(1970年〜1980年)の主力潜水艦になりました。
続く「ゆうしお」型は自動操舵装置、魚雷発射指揮装置、高性能ソーナー(≒水中音響探信機)を備え、潜航深度の増大の為に耐圧機器やバルブ類を大型化し、はじめて排水量が2,000tを超えました。
平成最初の「はるしお」型は「ゆうしお」型の発展型で、水中行動・索敵・攻撃能力を一段と高めています。
隠密製を高める為、より深く、より静かにを目指す世界の趨勢の下、最新の「おやしお」型は、従来の涙滴型に代わる葉巻型船型を採用し、音の反射を減らす為表面に水中吸音材を貼付ける一方、主モーターの回転数を下げ、進化したスクリューを採用し、極めて静かな潜水艦になっています。

13.08.27.撮影
葉巻型の「そうりゅう型潜水艦」
(涙滴型の)潜水艦あきしお AKISHIO SS-579          [要目]
基準排水量:2,250t
長 さ:76.2m
幅  :9.9m
深 さ:10.2m
船 型:完全複殻式(涙滴型)
  *涙滴型(るいてきがた)涙のしずくの形。

主機械:ディーゼル2基1軸
      メインモーター1基
馬 力:水上3,400P水中S7,200PS
速 力:20ノット(水中)
主要兵装:水中発射管一式
       スノーケル装置
乗 員:75名
[経歴] 1983(昭和58)年4月15日 三菱重工業(株神戸造船所において起工
1985(昭和60)年1月22日 命名、進水式
1986(昭和61)年3月5日  就役、第1潜水隊群第1潜水隊に配属
1990(平成2)年6月8日   第5潜水隊に所属替え
2004(平成16)年3月3日   除籍

13.08.27.撮影

13.08.27.撮影
トイレ、シャワーユニットをみながら(わたしは)女性自衛官の乗艦はできないだろうな〜と思いました

13.08.27.撮影
乗員75名のこの「あきしお」、この談話室は9席(×8回= 72)ですから談話室を利用するのは稀?



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