旧呉鎮守府司令長官官舎
  呉市幸町の入船山公園に残されている「旧呉鎮守府司令長官官舎」です。
旧呉鎮守府司令長官官舎      国重要文化財 1998(平成10)年12月25日指定
  1889(明治22)年洋風総二階建の軍政会議所兼水交社が建てられ、1892(明治25)年からは長官官舎(初代〜6代)として使用されましたが、1905(明治38)年の芸予地震で崩壊したため同(明治38)年その資材を利用して現在の建物が建てられました。
その後は1945(昭和20)年まで長官官舎(7代〜32代)として使用され、敗戦後は1956(昭和31)年まで進駐していた占領軍の司令官官舎として10年間使用されました。その後、呉市に引継がれ、1966(昭和41)年に「入船山」は呉市の史跡となり、1967(昭和42)年から一般公開されました。
(財)文化財建造物保存技術協会の協力で1905(明治38)年当時の資料が発見された事を受け、1991(平成8)年から1995(平成7)年にかけて調査、解体、修復事業を行い1905(明治38)年の建築当初の姿に復元したものです。
この建物は、木造平屋建で洋館部と和館部からなっています。洋館部は、英国風ハーフティンバー様式を取り入れ、屋根は天然スレートの魚鱗葺きになっています。
half timbering
ハーフチェンバー様式
北方欧州の木造真壁(≒壁を柱と柱の間におさめ、柱を外に見せた壁)建築の技法。半木骨造とも呼ばれ、アルプス以北の英、独、仏の木造建築に多く見られる。特に15世紀から17世紀、英国の住宅に多用された。
ぎょりんぶき
魚鱗葺
魚の鱗(うろこ)のように葺いた(屋根)
      (下画像は)旧呉鎮守府司令長官官舎の屋根をクローズアップしてみました
国指定
重要文化財
指定年月日
 平成10年12月25日
名称: 旧呉鎮守府司令長官官舎(呉市入船山記念館)
種別:建造物。  建築面積527.1u。
構造:洋館・木造、建築面積223.0u。一階建、スレート葺。
    和館・木造、建築面積304.1u。一階建、桟瓦葺。
1905(明治38)年の建築。木造平屋建で、和館と洋館を接合した建物であります。表に洋館、奥に和館があり、洋館正面中央にポーチと玄関、玄関奥に広間公室があります。
入船山はゆるやかな丘陵地で、旧海軍呉鎮守府開設にあたり軍政会議所が建てられました。1905(明治38)年6月2日の芸予地震の後に現存の建物が再建され、以後,歴代の呉鎮守府司令長官官舎として使用されました。
戦後、和館は改造されたが、洋館はよく残されており、明治時代末期の建築技術を示す貴重な例となっています。
入船山公園内の(有料部分)入船山記念館での最大の見どころがこの旧呉鎮守府司令長官官舎です。
国の重要文化財に指定されていますので、今(2013年)回呉をぶらり散歩した目的の一つとしての建物見学でした。
海外生活を経験したであろう呉鎮守府司令長官たちであったのでしょうが、やはり日本人ですので、和館と呼ばれている日本家屋での生活は切り離せなかったのではと(海外生活は全くないわたしですが)思いながら見学しました。
2017年少し引いて撮影していましたので、この頁を更新しました。
19.0621.更新    13.10.04.裕・記編集

17.08.31.撮影
広島県呉市幸町4-6  入船山公園

13.08.27.撮影
旧呉鎮守府司令長官官舎

13.08.27.撮影
玄関

13.08.27.撮影
内部

13.08.27.撮影
和館部分

13.08.27.撮影



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