小林千古作:誘惑

  廿日市市宮島町下中西町の厳島神社宝物館に展示されている小林千古作「誘惑」です。
             誘惑(ゆうわく)  小林千古 筆
明治40(1907)年の作品で画題を「誘惑」とし、文展に出品して好評を博し評判となった傑作です。
この世の中はあたかも目隠しされたこの娘のようなもので、四六時中悪魔につけ狙われています。この悪魔の誘惑より救われる道は唯神の手にすがるより外ない信仰の道を寓意した絵です。絵の右下には教会が書かれています。筆者、小林千古は広島県廿日市市地御前出身です。
ぐうい
寓意
ある意味を、直接には表さず、別の物事に託して表すこと。
また、その意味。
小林千古(1870-1911)
明治時代の洋画家。本名は花吉。この地で(廿日市地御前)生まれました。
18歳の時に、移民労働者とともに米国に渡り絵画の道を志しました。カリフォルニア州立大付属美術学校、パリのアカデミー-デル-クルースで学び。帰国後は、白馬会に参加しました。1906(明治39)年から学習院女学部で教鞭をとりました。
日本洋画壇において、宗教画を発表しています。41歳という若さで病没したため、千古の残した絵画は少なく、南薫造(1883-1950)など郷土の洋画壇に与えた影響は大きいものがあります。彼の代表作には「パッション」「誘惑」などがあります。
  関連頁:(廿日市市地御前に建立)小林千古生誕の地碑 
2007年廿日市市地御前で小林千古のお墓を、(地御前小学校根際で)小林千古生誕の地碑を訪ねていたのです。その時この洋画家の事を(わたしは)知ったのですが、作品はみたことがありませんでした。
過去にもここ厳島神社宝物館を見学(複数回)したことはありましたが、ここで取り上げた小林千古作「誘惑」をみてはいたのでしょうが、通り過ぎただけで、展示されていることさえ気が付いていませんでした。
今(2012年)回交流ウォーク下見の時見学していて、小林千古の代表作でもあるこの「誘惑」に目がいきました。
館内が暗く硝子ケースの中に展示してありますので、わたしの腕とデジカメでは、この頁に掲載した画像でしかありません。(お節介な言葉でしょうが)、宮島に行かれ、厳島神社を参拝され、神社から出て行かれたその前にこの宝物館がありますので、ご自身の目で実物を御覧になることをお勧めするということでこの頁を編集しました。
 12.05.08裕・記編集

12.04.07撮影
広島県廿日市市宮島町下中西町  厳島神社宝物館

12.04.07撮影

12.04.07撮影



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