HIROSHIMA CITY NAKA INCINERATION PLANT
広島市環境局中工場
  中区南吉島に建てられている「広島市環境局中工場」です。
※(いわゆる)ごみ処理施設です。
(広島)市の広報紙「市民と市政」平成16(2004)年11月15日号に、環境局中工場について、記事があります。
『平和記念公園から南に延びる吉島通りの終点、南吉島に今春、近代的な建物が完成しました。
ゴミ処理工場の老朽化に伴い、新しく建て替えられた広島市環境局中工場です。建物は、建築家・谷口吉生の設計〔で、八木保(デザイナー:1949-  )がサイン計画、環境展示計画〕を手掛けました。
被爆から百年後西暦2045年に向けて、優れたデザインの社会資本の整備を目的として設計者を選定する「ひろしま2045・平和と創造のまち」制度により選ばれました。
この工場の外観の特徴は、吉島通りの延長線上にあたる部分にガラスで囲んだ大空間を設けて、通りから海への視線を確保したこと。巨大な壁面による圧迫感を軽減する配慮をしています。さらに、ステンレスの金属板で覆われた銀色に輝く壁面は、従来の清掃工場のイメージを脱却した、軽快なイメージを与えています。
建物内部にも、いくつかの工夫が取り入れられています。ガラスで囲んだ大空間の2階部分には見学者通路を設け、誰でも自由に出入りできます。ガラス越しに見えるガス吸収塔や灰溶融などの設備に、最新の公害防止技術の一端を実感することができます。また、通路に配置された情報機器などで広島市のゴミ処理に関するさまざまな知識を得ることができるほか、建物の上層階の展望デッキからは、都心部方面や広島湾の風景を一望することができます。通路を南に抜けると、一面に海が開け、誰もが憩いの場として利用できるように遊歩道や緑地帯を設けています。今後、海辺の新名所として、開かれた憩いの空間として、多くの市民の皆さんに親しまれる場所となることでしょう。』
と紹介しています。
用途:清掃工場。
設計:谷口建築設計研究所(谷口吉生)。構造設計:構造設計集団SDG。 プラント:三菱重工業。
構造:鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造・PC造。
規模:地下1階+地上7階。煙突高さ:59m。
焼却能力:600t/24h (200t/24h×3基)。灰溶融炉:(48t/24h×2基)。
発電能力:15,200Kw(蒸気タービン発電)。
敷地面積:50,245u。建築面積:13,878u。延床面積:45,519u。竣工:2004(平成16)年2月。
建築設計費≒7億円。。総工費≒544億円(埋立工事≒138億円、工場建設≒406億円)
incineration: n. 焼却。
plant: n. 植物; (樹木に対して)草本; 苗(木); 植木;
装置, 設備; 施設, 工場, プラント;
盗品; 〔俗〕 策略, ごまかし; 〔話〕 (警察の)おとり, スパイ,
× 2011年4月17日広島市のごみ焼却場の炉が損傷、溶融物が漏れる、爆発音(水蒸気爆発2回)も
17日昼過ぎ、「中工場」の「灰溶融炉」で、床と壁など73uが焼けました。
「灰溶融炉」は、ゴミを焼却した際に発生した灰を建築資材として再利用するため、高温で溶かす、直径3.7m、高さ2.6mの円柱形設備で、この炉の底から約1,300度の液状になった灰が摩耗した耐熱煉瓦の隅間を通り、外側の鉄製ケースを溶かして、流出し燃えたとみられています。広島市などのその後の調べで灰溶融炉の底に直径数十cmの穴(サッカーボールからピンポン玉大の穴少なくとも3ヶ所)が開いていたことがわかったということです。ことし2月から3月にかけて製造メーカー(三菱重工業)が行った点検作業では問題はなかったということで、警察などは18日朝から現場を検証したり、製造メーカーの担当者から話を聞いたりするなどして火災の原因を調べるということです。
「灰溶融炉」の設置を、国が補助金を出して奨励していることから全国に現在211施設あるそうです。
しかし、この施設での事故は過去にも起こっている事、また燃料代など経費がかさみリサイクル製品(道路舗装などの工事用資材など)の需要が十分ではななどの問題を指摘されています。
2009年、中工場の場合のこの施設の維持費は8億3500万円かかったそうです。
2006年4月29日高知市清掃工場の灰溶融炉(三菱重工製)2号炉で、1300度のスラグ(ガラス質)が炉底の耐熱レンガを溶かして流出した同様の事故を起こしています。
広島市の紹介文で云っているように『従来の清掃工場のイメージを脱却した、軽快なイメージを与えています。』確かにと思います。わたしは、30余年前地方行政組合の小さな清掃センターの建築工事を施工屋として手がけた事がある事からもそう思います。
しかし、プラントというものは老朽化し、時代に合わなくなった設備の更新が付きものである事はわたしが云うまでもない事でしょう。清掃工場に優れたデザインを求めることも都市の中での清掃工場では必要かもしれませんが、1兆円になんなんとする市債という借金を抱えている広島市は、建設コストを考慮したデザインを求め、設備の更新がやりやすい建屋にすることが求められているのではないだろうかと(わたしは、ひとりの広島市民として)思いました。
東日本大震災での福島第一原発事故報道に隠れ、ここ中工場「灰溶融炉」の報道は一部でしか取扱われていないようです。
人的災害にはなっていませんが、この施設がかかえる重大な問題点ではないかと思いましたので、中國新聞など新聞報道、NHKなどTVニュースなどの報道をもとに追記しました。
11.04.22更新    10.07.07裕・記編集

10.04.18.撮影
広島市中区南吉島1-5-1

10.04.18.撮影
中工場入口 敷地案内図

10.04.18.撮影
(2階)エコリアム入口 (工場北面)

10.04.18.撮影
エコリアム(Ecology + Atrium = Ecorium)
(エコロジー)
Ecology:
1)
2)
生態学。
人間を生態系を構成する一員としてとらえ、人間と自然環境物質循環社会状況などとの相互関係を考える科学。社会生態学。人間生態学。
(アトリウム)
Atrium:
(古代ローマ建築の)中央(玄関)ホール。【建】中庭付の広間。【解】心房、 房。
ガラスやアクリルパネルなど光を通す材質の屋根で覆われた大規模な空間のこと。内部公開空地。

10.04.18.撮影
エコリアムからは工場(プラント)全体は分かりませんが、(プラント)模型が展示してありました

10.04.18.撮影

10.04.18.撮影
南面をみました     (手前:コンクリート台上に四等三角点設置されています)

10.04.18.撮影

10.04.18.撮影
中工場(吉島)から元安川越しに出島方面をみました。(似島の安芸小富士が中央に)



「建物」編



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広島市環境局中工場
  (中工場灰溶融炉の廃炉)
  南吉島四等三角点


吉島地区編


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