(世界平和記念聖堂)七つの秘蹟・彫刻

  中区幟町の世界平和記念聖堂正面と側面に造られている「七つの秘蹟・彫刻」です。
欄間彫刻は、旧約聖書の「七つの秘蹟」(サクラメント)を表しているそうで正面に5つ側面に1つづつあります。
欄間彫刻構想:今井兼次、模型製作:武石弘三郎、製作:円鍔勝三・坂上政克。
サクラメント (sacrament)とは、
キリストによって定められた神の恩恵を信徒に与える儀式です。
(ギリシャ正教では‘機密’、ローマ-カトリックでは“秘跡”と称すそうです。)
「洗礼」 「堅信」 「聖餐」 「ゆるしの秘跡」 「病者の塗油」 「叙階」 「婚姻」の七つの式です。
※プロテスタントでは“礼典”又は“聖礼典”といい、「洗礼」と「聖餐」の二儀式とするものが多いそうです。
世界平和記念聖堂を訪ね建物に入る前にわたしたちの目に飛び込んでくるのが欄間に位置する七つの秘蹟のうちの五つの彫刻です。側面にまわれば残りの二つの秘蹟彫刻をみる事が出来ます。
訪れた時(わたしは)この彫刻をまず観るのです。2007年になって裏側から撮影してみました。
07.05.18 更新    03.07.29裕・記編集

03.07.28撮影
広島市中区幟町4‐42  世界平和記念聖堂正面の欄間彫刻

03.05.23撮影
品級の秘蹟 (叙階の秘蹟とも)
ミサ典書、ストラ(祭服)、カリスなどで聖職者になる儀式を表現
 
       
 



03.07.28撮影
悔悛の秘蹟(ゆるしの秘蹟) 堅信の秘蹟
イエスの足元にひざまづき犯した罪を告白し許しを乞う姿 光輪をもつ鳩
 
     
 



03.07.28撮影
洗礼の秘蹟 聖体の秘蹟
神の手、アルファとオメガの印などで
大海に翻弄されるノアの箱舟が導かれている
マンナ(一種のパン)、旧約聖書の出エジプト記にでてくる
 
     
 



03.07.28撮影
終油(病者の塗油)の秘蹟
  十字架にかかっているストラ(祭服)、壷(聖油をいれる)

         
 


03.07.28撮影
婚姻の秘蹟
ハート型模様、ループ状に繋がるバラの飾り

 
         

カリス:
caliz:
(ポルトガル語)
カトリック教会用語。聖餐(せいさん)の際に用いる杯。聖杯。
ギリシャ語で「恵み・贈り物」特に神や自然からの恵みや贈り物を指す。
同じ語源で「カリスマ」という語は、カリスマのある人といえば、本来は「神からの贈り物を受けた特別の人」という意味
アルファ: α:ギリシャ文字の第一番目の文字 
オメガ Ω:ギリシャ語の最後の文字で、最高の存在を意味すそうです。
マンナ 〔旧約聖書出エジプト記〕イスラエル民族がモーセに率いられてエジプトから故郷へ逃れる途中、荒野で神から与えられたという食物。マナ。
(いまい けんじ)
今井兼次:
(1895-1987)
早稲田大学理工学部教授、建築家。東京出身。
大正末に渡、欧ガウディ、シュタイナーなどの紹介者としても知られる。早大旧図書館(2号館)、長崎の日本26聖人殉教記念館などを設計。1941桃華楽堂などの作品で芸術院賞、1953芸術院会員。
(たけいし こうざぶろう)
武石弘三郎:
(1878-1963)
彫刻家、新潟県出身。東京美術学校彫刻科卒。
1901-1909ベルギーに留学し、ブリュッセル王立美術学校に学んだ、のち文展で活躍した。
(えんつば かつぞう)
圓鍔勝三:
(1905-2003)
彫刻家。本名勝二。広島県御調町に生まれる。日本美術学校彫刻科在学中の1930(昭和5)第11回帝展に『星陽』が初入選、1932年日本美術学校卒業、沢田政広に師事した。1939年第3回文展で特選受賞、1951(昭和26)以来日展審査員、1965年の日展で文部大臣賞、1966年日本芸術院賞を受賞、1970年日本芸術院会員となった。木彫に明るい叙情性を盛り込み、1982年には文化功労者に選ばれ、1988年文化勲章を受章した。1993御調町に円鍔記念館・開館。多摩美術大学名誉教授。長く多摩美術大学で後進を指導し、名誉教授。2003.10.31死去
関連頁:「圓鍔勝三関連」編
(さかうえまさかつ)
坂上政克:

(1915-1982)
彫刻家、多摩美術学校彫刻科卒。



「野外彫刻など」編


「圓鍔勝三関連」編



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