安倍晋三首相の挨拶2013年

  2013年8月6日(通称)平和記念式典では、安倍首相が2007年以来2度目の挨拶に登壇しました。
唯一の戦争被爆国民である日本人の一人である安倍首相が主導する日本国政府は、
本(2013)年5月スイス・ジュネーブで開催の2015年核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向けた第2回準備委員会で、南アフリカが、「核兵器の人道的影響に関する共同声明」を発表したその「いかなる状況下でも核兵器が再び使用されないことが人類生存の利益になる」と訴えた声明に74ヶ国が賛同しましたが、日本国は加わらなかったのです。
(また、日本国政府は昨(2012)年秋の国連総会で「核兵器を非合法化する努力」を促した共同声明への賛同を求められましたが、安全保障政策に合致しないとして拒んでいます。)
米国が(日本に)提供する「核の傘」への影響を懸念するという理由からだったようです。
しかし、「核兵器の人道的影響に関する共同声明」には米国の核抑止力に依存する北大西洋条約機構加盟国のノルウェーやデンマークなどは賛同していますので、戦争被爆国・日本国が賛同できないことの理由にはならないと思うし、積極的に核兵器禁止条約(通称:Nuclear Weapons Convention、略称:NWC)が発効するように日本国は努力をしなくてはならないとわたしは思います。
今回の挨拶の最後に「非核三原則を堅持しつつ、核兵器廃絶に、また、恒久平和の実現に、力を惜しまぬことをお誓いし、私のご挨拶といたします。」と広島市民の前で、日本国民に向かって述べたのですからアベノピースなることばで世界に呼ばれる首相になっていただければと願いながらこの頁の締めとしました。
13.08.08.裕・記編集

13.08.06.裕撮影
安倍晋三(1954-   :第二次2012.12.26-   )首相の挨拶
安倍晋三首相2013年挨拶の言葉

   広島市原爆死没者慰霊式、平和祈念式に臨み、原子爆弾の犠牲となった方々の御霊に対し、謹んで、哀悼の誠を捧げます。今なお被爆の後遺症に苦しんでおられる皆様に、心から、お見舞いを申し上げます。

68年前の朝、一発の爆弾が、十数万になんなんとする、貴い命を奪いました。7万戸の建物を壊し、一面を、業火と爆風に浚わせ、廃墟と化しました。生き長らえた人々に、病と障害の、また生活上の、言い知れぬ苦難を強いました。
犠牲と言うべくして、あまりに夥しい犠牲でありました。しかし、戦後の日本を築いた先人たちは、広島に斃れた人々を忘れてはならじと、心に深く刻めばこそ、我々に、平和と、繁栄の、祖国を作り、与えてくれたのです。蝉しぐれが今もしじまを破る、緑豊かな広島の街路に、私たちは、その最も美しい達成を見出さずにはいられません。
私たち日本人は、唯一の、戦争被爆国民であります。
そのような者として、我々には、確実に、核兵器のない世界を実現していく責務があります。その非道を、後の世に、また世界に、伝え続ける務めがあります。
昨年、我が国が国連総会に提出した核軍縮決議は、米国並びに英国を含む、史上最多の99カ国を共同提案国として巻き込み、圧倒的な賛成多数で採択されました。
本年、若い世代の方々を、核廃絶の特使とする制度を始めました。来年は、我が国が一貫して主導する非核兵器国の集まり、「軍縮・不拡散イニシアティブ」の外相会合を、ここ広島で開きます。
今なお苦痛を忍びつつ、原爆症の認定を待つ方々に、一日でも早くその認定が下りるよう、最善を尽くします。
被爆された方々の声に耳を傾け、より良い援護策を進めていくため、有識者や被爆された方々の代表を含む関係者の方々に議論を急いで頂いています。
広島の御霊を悼む朝、私は、これら責務に、旧倍の努力を傾けていくことをお誓いします。
結びに、いま一度、犠牲になった方々の御冥福を、心よりお祈りします。ご遺族と、ご存命の被爆者の皆様には、幸多からんことを祈念します。核兵器の惨禍が再現されることのないよう、非核三原則を堅持しつつ、核兵器廃絶に、また、恒久平和の実現に、力を惜しまぬことをお誓いし、私のご挨拶といたします。

平成25(2013)年8月6日           内閣総理大臣 安倍晋三
*挨拶文は、首相官邸の資料を参照しました。



平和記念式典関連頁・全体



広島ぶらり散歩へ
2013年平和記念式典へ


平和宣言 2013年
「平和への誓い」2013年
安倍晋三首相挨拶の言葉2013年
イェレミッチ国連総会議長挨拶2013年


inserted by FC2 system