(しょうやさん)かんげんじ
(勝谷山)観現寺

  東広島市西条町(さいじょうちょう御薗宇(みそのう)に創建されている「勝谷山 観現寺」です。
※広島新四国88ヶ所霊場第41番霊場です。
真言宗御室派のお寺で、本尊は聖観世音菩薩です。
縁起:
治承4(1180)年以仁王(1150-1180)の挙兵で源頼政(源三位:1104-1180)が敗れ自匁した後、頼政の室・菖蒲前は息子の種若丸と共に、頼政の郎党・猪野隼太に導かれて安芸国賀茂郡下原村に隠れ住み源氏の再興を待っていました。
建久2(1191)年後鳥羽天皇の代に源氏の世となり、菖蒲の前は源頼朝(1147-1199)より賀茂一円の地を賜り、その子豊丸は水戸新四郎源頼興と名のり一宇を建立して父・頼政の菩提寺としました。
菖蒲の前は喜ばれ、“我が薗よ”という意味で 下原村を御薗宇と改めたと伝わっています。頼政の家臣、猪野隼太は勝谷右京と名を改め観現寺を守り、建保4(1216)年7月8日八十四歳当地にて寂しました。
※資料によっては、猪野隼太を「猪隼太」。勝谷右京を「勝屋右京」としている資料もあります。
広島ぶらり散歩「広島新四国88ヵ所霊場」編を2008年編集して以来まだ満願とはなっていません。
そこで今(2018年)回まだお参りしていない賀茂地区の四つのお寺を訪ねたのです。
昔、西条町御薗宇の中学校の建設にかかわったことがありましたが、御薗宇の名の由来もここで取り上げた観現寺のことも知らなかったのです。
平家ではなく源氏に関わるこのお寺の縁起も興味深い伝承でした。
18.03.18.裕・記編集

18.03.13..撮影
東広島市西条町御薗宇5311

18.03.13..撮影

18.03.13..撮影
山門

18.03.13..撮影

18.03.13..撮影
本堂
広島県指定重要文化財 観現寺厨子      指定:平成4(1992)年10月29日  
規模;桁行1間(0.494m) 梁間1間(0.370m)。総高0.888m。 屋根形式:如意頭(にょいとう)。
建立年代:不詳  室町時代中期(15世紀後半)
観現寺は、寺伝によると平和ン時代末期、平家追討も兵を挙げた源頼政の室・菖蒲の前(西妙尼さいみょうに)の開基と伝えられています。
厨子は、黒漆塗りの一間厨子で、屋根には如意頭と呼ばれる飾りが彫りだされています。柱をつなぐ頭貫
(かしらぬき)の木鼻は、上方への競り上がりが特に強く、15世紀らしい特徴を示しています。軸組の組み方など本格的で製作技術も優れており、禅宗様(ぜんしゅうよう)の特徴である繊細さ、細部装飾の美しさを備えたものです。
小型ながらも特に優秀な意匠を持つ中世の厨子の傑作といえ、中世の建築の少ない安芸国においては貴重なものです。

18.03.13..撮影
 
(境内に設置の説明板) (説明板の写真を使用しています)

18.03.13..撮影
護摩堂



「神社寺院など」編


「広島新四国八十八ヶ所霊場」編



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(勝谷山)観現寺
  (勝屋右京墓とされる)宝篋印塔
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