エノラ・ゲイ(Enola Gay)
 エノラ・ゲイは、1945(昭和20)年8月6日広島へ原爆「リトル・ボーイ」を投下した、米陸軍航空隊の原爆搭載機B29の名称です。
米国陸軍航空軍第509混成部隊第393爆撃戦隊所属のB-29機名。機体番号44-86292号
機体名称の由来は、機長・ポール・ティベッツ(1915-2007)大佐の母親:エノラ・ゲイ・ティベッツ(Enola Gay Tibbets)からとられたものだそうです。
B29の中で原爆投下用の改造(シルバープレート形態)が施された15機の内の1機だったそうです。
   〔B29要目  翼全長:42m、高さ:8.4m、胴体長:30m、推進エンジン:2200馬力四基〕
1945(昭和20)年8月9日長崎に原爆「ファットマン」を投下したB29はボックスカー(Bockscar)という名称でした。
エノラ・ゲイ号は、1945(昭和20)年8月6日午前2時45分(日本時間同1時45分)、原子爆弾リトル・ボーイを搭載し、マリアナ諸島・テニアン島の滑走路から飛び立ちました。原爆投下時の科学観測と写真撮影を行う2機を従えていました。 
(テニアン島から広島まで≒2,740kmで、B29爆撃機で片道≒6時間30分かかったそうです。)
日本時間午前8時15分30秒、高度31600フィート(≒9480m)で原子爆弾を投下、43秒後に炸裂し、その時の温度は瞬間的にセ氏数百万度、数十万気圧となり猛烈な熱線と放射線が四方へ放射されました。この原爆で建築物も人もほぼ瞬時に破壊され、殺されました。
ポール・チベッツ(=ティベッツ:Paul Warfield Tibbets, Jr.:1915-2007)
米国軍人。イリノイ州出身。1928年陸軍士官学校入学、その後シンシナティ医科大学入学、同校1937年卒業。1944年12月(原爆投下実行部隊の)第509混成部隊部隊長。
2007(平成19)年11月1日ポール・チベッツが亡くなったと報道で知りました。
非戦闘員を多数含む命を奪った原爆投下を「原爆投下によって、多くの命を救った」という主張を死ぬまで取り下げることはありませんでした。
2009(平成21)年8月6日通称・平和記念式典で挨拶されたデスコト第63回国連総会議長は「ローマ・カトリック教会の神父として、故ポール・ティベッツ機長が我々の教会の信者であったという事実に対し、私は心の底から日本の兄弟・姉妹の許しを請いたいと思います。」と述べられました。
エノラ・ゲイ機体復元
米スミソニアン航空宇宙博物館は2003(平成15)年8月18日エノラ・ゲイを完全復元し2003年12月15日の一般公開(ワシントン郊外のダレス国際空港近くに新設された航空博物館の施設で)に先立ち報道関係者に公開したそうです。
報道によると被爆の実相などの資料の展示はしていないそうです。

1995(平成7)年エンジンなどの機体の一部がワシントン市内のスミソニアン博物館で特別展示されましたが日米間で“原爆展示論”に発展し、当時の館長が辞任に追いこまれました。米退役軍人の抗議で歴史資料の展示が縮小された事がありました。
2013年7月平和記念資料館東館に立寄って、「新着資料展」(2014年6月15日まで無料展示)を見学している中に、ここで取り上げた「エノラ・ゲイ」号が原爆を投下した後テニアン島にかえってきた処をピーター・H・ブラザーズさん(米軍関係者だったのでしょう)が、撮影した写真を平和記念資料館に寄贈されそれをパネルにしたものが展示されていましたので、撮影しました。
 13.07.30.裕・記編集

13.07.18.撮影
広島市中区中島町 広島平和記念資料館東館B1 展示室(4)
新着資料展2013年6月21日〜2014年6月15日

13.07.18.展示パネル撮影

13.07.18.展示パネル撮影
「原爆投下後の(テニアン島の)エノラゲイ」  (写真)提供:ピーター・H・ブラザーズ
テニアン島(Tinian)
太平洋西部、ミクロネシアのマリアナ諸島のなかで2番目に大きな島。
北マリアナ連邦(1978年発足)に所属。幅4
.8Kmの水道を隔てて北にサイパンSaipan島がある。南北16km、東西8km、面積101Kuの火山島だが、最高峰はラッソLasso山の173mにすぎない。人口899(1980)。
1521 (西洋史的には)マゼラン世界周航途次に発見、スペイン領となりました。
1889 ドイツに売却されました。
1919 大正8年 日本の委任統治領となりました。
1944 昭和19年 7月7日、日本軍玉砕陥落、7月23日米軍上陸占領。
1978 昭和58年 北マリアナ連邦(アメリカ合衆国の自治領)の中の1島

原爆投下の命令
1945(昭和20)年7月25日トルーマン米大統領(日本に対する)原子爆弾の投下命令を下しました。
敬称は略しました



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