オーギュスト・ロダン作「カレーの市民(第2試作)」

  広島市中区基町のひろしま美術館内で展示されているロダン作「カレーの市民(第2試作)」です。
(入館料は必要ですが)ひろしま美術館に入館すれば誰もが撮影できる作品です。
フランソワ=オーギュスト=ルネ・ロダン
    (1840-1917)
カレーの市民(第2試作)
1885年  ブロンズ
仏、パリ生まれ。装飾美術学校でカルポー(1827-1875)に学んだのち、1864年-1870年カリエ・ベルーズの工房で働く。1864年伝統的な美の観念を無視する「鼻かけの男」をサロン(官展)に出品するが落選。
普仏戦争(1870-1871)で戦傷、戦後カリエ・ベルーズ(1824-1887)の仕事の助手としてブリュッセルに赴く。1875年イタリアに遊学、とりわけミケランジェロに傾倒する。帰国後、1877年「青銅時代」をサロンに出品し、人体から直接石膏どりしたのではないかと疑われる。この作品に示された的確な写実力とムーブマンの感覚は、「歩く人」「バプテスマのヨハネ習作」でいっそう深められる。
頭部を欠く人体の運動感と量感のみによって成り立つ習作こそ、ロダンの新しい彫刻観を示したものといえる。
1880年政府の注文によるパリ装飾美術館の扉「地獄の門」の制作を開始。最終的に186点の像をふくむ扉の構想と実現に、その後の生涯を捧げた(実際の鋳造は、死後。松方幸次郎(1866-1950)によってなされる)。その構想と習作のなかから,「考える人」「接吻」などの多くの単独像が生まれる。
他方、1880年代には「カレーの市民」、1890年代には「バルザック」などの大作も制作。
1900年の個展以降、その名声が確立する。
モニュメンタルで生命力にあふれた表現、さらに彫刻を量塊としてとらえ、周辺空間との関連で彫刻の肌をつくる態度によって、近代彫刻に新生面をひらき、ブールデル(1861-1929)、マイヨール(1861-1944)など以後の彫刻家に多大の影響を与えた。
死後、作品(デッサン、水彩を含む)とアトリエが国家に遺贈され、ロダン美術館となる。
カレー(仏:港町)の市民について、ウィキなどを参照すると
『ジャン・フロッサール(イングランド:1337年頃-1405年頃)の「年代記」で、1347年イングランド王エドワード3世(1312-1377)はカレーの町を包囲し、最も高貴な6人の市民は裸足のまま、帽子は被らず、首に縄を巻き、城壁の鍵を持たせ、差し出せば、町の包囲を解いて市民たちの命を助けるとの要求を出してきた。
ここで、自らの命を投げ出し、町を救ったのが、6人(裕福な指導者の一人,
ウスタシュ・ド・サン・ピエールが最初に志願し、すぐに5人の市民、ジャン・デール、ジャック・ド・ヴィッサン、ピエール・ド・ヴィッサン、ジャン・ド・フィエンヌ、アンドリュー・ダンドルが後に続いた)の男たちだった。
これが、カレー市に伝わる伝説的英雄の物語なのです。
それからおよそ500年後の1885年、カレー市はロダンに対して、正式に記念碑の発注を依頼する。
前(1884)年ロダンのもとへ当時の市長オメール・ドゥワブランが訪れた。その数週間後、1884年11月末、ロダンは「第1試作」を市に提出。市はこの提案を受入、1885年1月28日「市の記念碑設立委員会」と正式な契約を交わした。
しかし、ロダン自身によって公開された「第2試作」は、“意気消沈した態度”がカレーの英雄像に相応しくないことなどを理由に修正を求められました。
こうした批判をよそに、ロダンは制作を進め、1889年にカレー市のリシュリュー広場で除幕式が行われた。ところが、その設置方法は、ロダンが意図した“台座を取り払い、地面に市民像をじかに置く”というものとは異なり、市民像は高い台座に置かれ、周囲には柵が設けられました。
ロダンが望んでいた場所・旧カレー市庁舎前に彼の意図した方法で設置されたのは、ロダンの死後、1924年のことでした。』
カレーの市民という作品があることは、ロダンの「考える人」の頁を編集した時に知ったのですが、その題材や時代背景などは今回この頁を編集することで少しばかり知ったのです。
カレー市民の六人の名前をウィキで知ったので、どの像が誰か知りたいと思って名前を振り分けたのですが、間違っているように思いますので、ご存じの方のご指導をお願いいたします。
24.03.03.裕・記編集

23.04.17.撮影
広島市中区基町3-2  ひろしま美術館常設展示室

23.01.05.撮影

23.04.17.撮影

23.04.17.撮影
ウスタシュ・ド・サン・ピエール

23.04.17.撮影
ジャン・デール(ジャック・ド・ヴィッサンかもしれません)

23.04.17.撮影
ジャック・ド・ヴィッサン(ジャン・デールかもしれません)

23.04.17.撮影
ピエール・ド・ヴィッサン

23.04.17.撮影
ジャン・ド・フィエンヌ

23.04.17.撮影
アンドリュー・ダンドル



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