いつくしまじんじゃ おおとりい
厳島神社大鳥居-概説-

  佐伯郡宮島町の厳島神社に建立されている「(厳島神社)大鳥居]です。
※厳島神社の社殿の前に広がる「玉御池(たまみいけ)」と呼ばれる入江と外海との境目に建っています。
※2005年佐伯郡宮島町は廿日市市と合併編入されましたので、現在は廿日市市宮島町に建立。
厳島神社の大鳥居をいままで何回となく見ていても何となく見ていただけでした。
海面に、自然の重みで立っている事も何となく知っていましたが、観光客に説明していたガイドさんの話を横で聞いていると
「大鳥居の屋根の直下に石ころ約7トンを‘おもし’として入れている」とかそんな事もわたしは知らなかったのです。今(2003年)回少し詳しく観てみたのです。
現在の大鳥居は、
1874(明治7)年10月に建立にかかり、1875(明治8)年7月に完成した事。
1951(昭和26)年に水に浸かる下の部分だけを新しい楠に継ぎ取りかえられた事。
高さ五丈三尺三寸(≒16.8m)、棟の長さ七丈七尺八寸(≒24.2m)。総重量≒60屯。
本社・拝殿より百八間(と云われますが≒200m)の(沖合の)処に建立されている事。
鳥居扁額が有栖川宮熾仁親王の染筆で、沖側「嚴嶋神社」、神社側「伊都岐島神社」という事。
そしてなによりも
鳥居のお化粧直し(塗替)が、2003(平成13)年4月に10年ぶりに行われた事も知らなかったのです。
2019(令和元)年6月17日から(大規模な)保存修理工事が行われています。
保存修理工事の終了時期は未定で、2022年~2023年まではかかる見込みだそうです。
2022(令和4)年12月に完了しました。
1899(明治32)年4月5日国の重要文化財に指定され、
1963(昭和38)年12月26日棟札2枚追加指定されています。
大鳥居の屋根は桧皮葺で、大鳥居は丹(に)塗りになっています。
主柱の前後に袖柱を建て上下を貫でつなぐ両部鳥居(りょうぶどりい)の形式です。
  現在までの通説(現在の大鳥居八代目説)   令和の保存修理後の新説(現在の大鳥居九代目説)
歴代   建立・再建   備考
初代 1168(仁安3)年 下記※1)
二代 1286(弘安9)年
三代 1371(応安4)年
四代 1546(天文16)年
五代 1561(永禄4)年 檀那:
毛利元就(1497-1571)
毛利隆元(1523-1563)
六代 1739(元文4)年 浅野吉長(1681-1752)が重造
七代 1801(享和元)年 浅野重晟(1743-1814)退任中の志
浅野斉賢(1773-1831)重造
八代 1875(明治8)年
1911(明治44)年脚元修理。
1925(大正14)年脚元に鉄筋コンクリートの根巻を施す。
1951(昭和26)年一部(根元部分)が取替えられました。
  関連頁:大鳥居の歴史(詳細)
歴代   建立・再建   備考
初代 1168(仁安3)年 平清盛(1118-1181)大鳥居建設
二代 1223(貞応2)年      ~1240(延応2)頃 下記※2)
三代 1286(弘安9)年
四代 1371(応安4)年
五代 1547(天文17)年 大内氏の支援で再建
大内義隆(1507-1551)
六代 1561(永禄4)年 毛利氏の支援で再建
七代 1739(元文4)年
八代 1801(享和元)年
九代 1875(明治8)年
1899(明治32)年国重要文化財に指定。
1950~1951(昭和26)年昭和の大修理。
1996(平成8年)年厳島神社が世界遺産に登録。
2019(令和元)年6月約70年ぶりの大規模修復工事開始。
2022(令和4)年12月工事終了。
 ※上記「大鳥居の主な歴史」は中國新聞を参照しました。
※1 大鳥居の創建についてはつまびらかでないのです。
最古の記録がある平清盛の仁安3(1168)年の造営のものを初代とするとしているだけだそうで、其れから数えると現在のものは八代目となります。
厳島神社を描いた「一遍聖絵・第十巻」正安元(1299)年には、社殿前に明神鳥居が描かれています。(別頁)
現在の両部大鳥居の形式になったのは、天文16(1547)年大内義隆(戦国武将:1507-1551)などが中心になって行った再建時と云われています。
※2 2019(令和元)年から始まった修繕工事に合わせて行われた調査で新たな発見があったそうです。
(現在の)宮島大鳥居、九代目か 13世紀前半にも再建の新説」との見出しで中國新聞報道で知りました。
『1240(仁治元)年“伊都岐嶋社内外宮造畢幷未造殿舎注進状案”の中に、「造畢分」(すでに造り終えた物)として「大鳥居一基」の記述があることがわかった。』ということで、初代と二代目の間にもう一基建造された可能性があるという説。
   関連頁:(現在の)厳島神社大鳥居は九代目という新設
いままで何度もみている大鳥居、2003(平成15)年ガイドさんの説明が耳に入り撮影してみようと思ったのです。
2003年宮島歴史民俗資料館を見学した時、大鳥居の資料で鳥居笠木小口に日光、月光が取付けられていることを知ったのですが、2007年になりましたがそのことを思い出し撮影しました。
また鳥居額が新しくなったこともニュースで聞いていましたので撮影しました。
2006(平成18)年初詣は廿日市市となりました。
令和の大規模保存修理工事中の大鳥居を20121年やっと撮影しました
2022年12月18日中國新聞で“厳島神社大鳥居3年半ぶり雄姿”という特集記事で、現在の大鳥居を九代目と断定した記事でしたので、今までの通説八代目を
だた一つの古文書で九代目と断定する中國新聞の記事を読み、歴史的検証をしての記事なのかと思ったので、この頁を八代通説と九代新設を併記・比較してみました。
23.02.19.更新   03.11.29裕・記編集

02.04.28撮影

08.05.24撮影
化粧直し前(2002年撮影) 2008年観光船で沖合から
02.05.09.編集 08.06.12.更新

07.11.03撮影

07.10.24撮影

07.11.03撮影
あせび歩道よりみました 平松展望台下よりみました 山辺の古径よりみました
07.11.11.編集

07.11.07撮影

07.11.07撮影

07.11.07撮影

07.11.07撮影
沖側「嚴嶋神社」 神社側「伊都岐島神社」 東側「日光」 西側「月光」
22.02.08.編集 07.11.09.編集

05.01.03撮影

05.01.03撮影

05.01.03撮影

05.01.03撮影
厳島神社よりみる 西側からみる 真横からみました 大願寺側からみました
05.01.05編集

03.11.16撮影

03.11.16撮影

03.11.16撮影

03.11.16撮影
宮島航路船よりみる 参道途中からみました 東側からみました 満潮でした
 03.11.29編集

03.11.16撮影

03.11.16撮影

03.11.16撮影

03.11.16撮影
南東からみました 石灯篭と大鳥居 南東からみました 扁額「伊都岐島神社」
 03.11.29編集

07.11.17撮影

12.04.07撮影

12.05.01撮影

21.01.22.撮影
(宝物館前に展示)
大鳥居:旧根元材
大鳥居:根継ぎ部分 2012年暴風による被害 令和の大規模保存修理工事
07.12.14.更新 12.09.02.編集 12.05.02.編集 21.01.25.編集

23.02.12.撮影

23.02.12.撮影
令和の大修復工事が終わった大鳥居を2023年JR連絡船から 御笠浜からみました 
23.02.20.編集 23.02.20.編集
「国宝・大絵巻展」での一遍聖絵 資料(集)宮島歴史民俗資料館展示
08.05.01.編集 07.11.11.更新
(厳島神社大鳥居の用材を)自前のクスノキでまかなおうとして
鳥居の耐久年数はおよそ120年くらいだろうといわれているようです。
現在の大鳥居に代わる建替え用材木の確保が急がれていますが国内でとなると見当たらないのではといわれています。外国産となると文化庁が認るかどうかといった問題点なども指摘されているようです。
そこで宮島町包ヶ浦の国有林・悠久の森(0.8ha)に自前でクスノキを苗木から育て300~400年後を見据えて用材を安定供給できるようにする計画(宮島千年委員会と広島森林管理署が森林整備の協定を結び)が2003年4月スタートしました。
2004年12月苗木(80cmが大きいもので2mに成長した)の点検や枯れた苗木の植替作業などがボランティア30名も加わり行われたことを報道で知ったのでここに取上げました。
 08.04.18追記       04.12.07追記



「安芸の宮島」編


「広島の神社寺院」編



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暴風被害を受けた大鳥居
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